ミラノサローネ特集 さまざまな企業やデザイナーの出展情報や見どころを紹介
MAGIS 2014 new collection
ブルレック兄弟の「OFICCINA」、コンスタンチン・グルチッチの「KYUDO」など、最新の技術や素材を駆使したマジスの新作コレクション
2014/06/04
JDN編集部
一年に一回、ミラノ・サローネでのみ新作発表をするマジス社。今年もRonan & Bouroullec、Marcel Wanders、Konstantin Grcic、Jaime Hayon、深澤直人、Floris Havers、Ineke Hansなど、マジス常連のビッグネームが名を連ね、広大なブースで数々の新作が発表された。
- OFICCINA / Ronan & Erwan Bouroullec
天板の素材は鉄やガラスなどさまざまで、屋外仕様も発表予定 - KYUDO / Konstantin Grcic
カーボンファイバーを木ではさみこみ、強度を持たせた片持ち構造のチェア(商品化未定)
最新の技術や素材を駆使したマジスの新作コレクション
最も注目を集めていたのは、日本でも人気のデザインデュオ、ブルレック兄弟のテーブル「OFICCINA」だ。もともとは、門扉などに使われるクラシカルなマテリアルを、モダンに生まれ変わらせたいというところから始まったプロジェクト。ロートアイアン(錬鉄)の脚はあえて表面にいびつさを残しており、素材の存在感を特徴づけている。最新の技術を取り入れ、クラシカルで繊細なマテリアルを崩すことなく、強度とモダンなフォルムを保ったテーブルだ。こちらは年内の発売を目指し、最終調整の段階とのこと。
新しい技術や素材をふんだんに盛り込んだ作品が多かったマジスの新作発表。商品化は未定ながら人々の目を惹いていたのが、コンスタンチン・グルチッチの「KYUDO」だ。カーボンファイバーを木ではさみこみ、強度を持たせた片持ち構造のチェアで、商品名の由来は日本の「弓道」だ。弓の弾力性・機能性にインスパイアされたという。マジスのチャレンジ精神を具現化した作品といえるだろう。
マジスの創業者であり現社長のユージニオ・ペラッツアは、グローバル化が進む中、各メーカーが出す製品のメーカーごとの違いというものが明らかに小さくなってきていることを認めつつ、その中にイタリアらしさ、マジスらしさのあるデザイン・製造にこだわり続けている。
近年はマルセル・ワンダースの「CYBORG」チェアのように、工業生産の観点で設計したものに、イタリア特有の職人による仕事を加えることで、工業製品にも手工芸品にもない表現豊かな作品を発表し、日本でもベストセラーとなった。
また、マジスと初めてタッグを組む北欧のデザイナー、Anderssen&Vollは、上下昇降式のスツール「TIBU」を発表。サローネ期間中、マジスのミラノショールームで特別ディスプレイを手がけたハイメ・アジョンは、PINAシリーズを拡張。ローチェア、フットスツール、ローテーブル、ロッキングチェアが新たに加わった。
マジスは新世代のデザイナーたちへも常に門扉を開いており、若いデザイナー達との初コラボ作品も積極的に発表されていた。これら新作の数々は、基本的には年度内の商品化を目指し最終調整中。日本で実物が見られる日も遠くないので楽しみにしたい。
MAGIS 2014 new collection 開催概要
開催期間 | 2014年4月8日(火)~ 4月13日(日) |
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会場 | Fiera HALL20 STAND C15-D12 |
公式サイト | http://www.magisjapan.com/ |
MAGIS(マジス)
1976年に設立されたイタリアの家具・家庭用品メーカー。世界で活躍するデザイナーを起用し、その斬新なアイデアとデザインで世界中から高い評価をえている。ニューヨーク現代美術館やパリ国立近代美術館など、世界のミュージアムに永久保存されている商品も多い。「日常使いの製品にこそ、優れたデザインを」をテーマに、独創のデザインを最新の技術で製品化している。
http://www.magisjapan.com/