ミラノサローネ特集 さまざまな企業やデザイナーの出展情報や見どころを紹介
Fritz Hansen 新作 ─ minuscule™
クラフトマンシップと工業製品の融合。セシリエ・マンツによる「ミナスキュール」
2012/05/16
JDN編集部
フリッツ・ハンセン社は、デンマーク人デザイナー、セシリエ・マンツによる新作「minuscule™(ミナスキュール)」をミラノサローネ期間中に発表した。会場は、モスコーヴァにあるフリッツ・ハンセン社のショールーム。ハイセンスなアートやデザインが集まり、文化的な街として歴史のあるブレラ地区に位置する。サローネ期間中、ブレラ地区には多くのデザイン関係者が集結し、盛り上がりを見せている。
今回フリッツ・ハンセン社より発表されたminuscule™は、「カジュアルなミーティングで使えるフォーマルなラウンジチェア」をコンセプトに誕生したシリーズだ。シンプルでありながら洗練された印象のminuscule™は、セシリエ・マンツが海辺の小石にインスピレーションを受けたデザイン。
minuscule™は、度重なる実験的なワークショップを通じて誕生した。ワークショップの過程ではセシリエには使用可能な素材のみが提示され、マーケットのニーズなどの情報はあえて知らされなかったという。
「私のデザインはいつも素材から始まります。まずすべての素材を手に取ってからでないと、作業が始められないのです」とセシリエ。会場では、ラフスケッチから各パーツをケースに並べ、紹介されていた。またショールーム前にはコンテナが設置され、中では職人によるminuscule™の実演制作も行われた。
クラフトマンシップと、工業生産の融合
minuscule™のデザインには、1872年の創業以来培われてきたフリッツ・ハンセン社のクラフトマンシップと、工業生産の長所が組み合わされた。シートには丈夫でありながら軽い印象のファブリックが張られ、その縁にはチェアの曲線に沿ってレザーによるパイピングが施されている。
背中側のファブリックには、セシリエ・マンツが「どんな色をも受け止められる」というライトグレーとダークグレーの軽量かつ丈夫なテキスタイルが使われている。内側のファブリックは暖色系、寒色系ともに豊富なカラーバリエーションが揃う。また同シリーズのテーブルはチェアと同素材、プラスチック製のグレーのベースに、オレゴンパインまたは白のコンパクトラミネートのトップを選ぶことができる。
minuscule™は2012年秋頃より、REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STOREはじめ各地のショップでの展示開始を予定している。
Fritz Hansen milano salone 2012 開催概要
開催期間 | 2012年4月17日(火)~22(日) |
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参加クリエイター | セシリエ・マンツ |
会場 | REPUBLIC OF FRITZ HANSEN milano |
公式サイト | http://www.fritzhansen.com/ |
CECILIE MANZ デザイナー
デンマークのオズスヘアアズ出身。1992年にデンマークデザイン学校に入学した後、ヘルシンキに留学し、本格的にデザインを学ぶ。デンマークデザイン学校を卒業した翌年の1998年に、自身のデザインスタジオ「マンツラボ」を開設。以後、このオフィスを拠点に活動している。
フリッツ・ハンセンにとって、セシリエ・マンツが機能や品質に強い関心を持っていることは非常に意義深い。すでに彼女の作品は MoMAやデンマークデザインセンターなどで展示されており、数々の賞を受賞している。
http://www.fritzhansen.com/jp/designers/cecilie-manz