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60年分のありがとうが詰まった展示、「誕生60周年記念 ミッフィー展」

60年分のありがとうが詰まった展示、
「誕生60周年記念 ミッフィー展」

ファースト・ミッフィーなど貴重な原画やスケッチ約300点を展示

2015/04/30

JDN編集部

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ブルーナ氏の絵本の作り方

ブルーナ氏は色紙と透明フィルムを使った独自の方法で制作を行う。まず、トレーシング・ペーパーにスケッチをする。それを画用紙に重ねてスケッチを上からなぞり、画用紙に溝をつける。ポスターカラーで慎重に溝の部分に線を描き、透明フィルムに焼き付ける。同様にトレーシング・ペーパーのスケッチをなぞって色紙に跡をつけ、窪んだラインをはさみで切りぬく。画用紙、色紙、透明フィルムを順番に重ねると印刷原稿が完成となる。

  • 『うさこちゃんのさがしもの』(1)
    『うさこちゃんのさがしもの』
  • 『うさこちゃんのさがしもの』(2)
    『うさこちゃんのさがしもの』
  • 『うさこちゃんのゆめ』(1)
    『うさこちゃんのゆめ』
  • 『うさこちゃんのゆめ』(2)
    『うさこちゃんのゆめ』
  • 『うさこちゃんのおうち』
    『うさこちゃんのおうち』
  • 『うさこちゃんのてがみ』
    『うさこちゃんのてがみ』

使われなかった原画たち

ブルーナ氏の元には絵本に使われることがなかった「不採用原画」が数多く残されている。この展覧会では『うさこちゃんとあかちゃん』から貴重な原画を多数展示。徹底してシンプルさを追求した姿が見えてくる。

『うさこちゃんとあかちゃん』(1)
『うさこちゃんとあかちゃん』
『うさこちゃんとあかちゃん』(2)
『うさこちゃんとあかちゃん』

ミッフィー・アートパレード

ミッフィーの誕生60周年を祝うために、生まれ故郷のオランダと日本で開催されたプロジェクト。180cmの真っ白なミッフィーに両国で活躍するクリエイター60組がペイントや装飾を施し、世界に1つだけのオリジナル・ミッフィーを制作した。日本からは15組が参加し、思い思いのミッフィーが会場に登場している。

  • (写真左から)大図まこと氏、福田利之氏、菊地敦己氏、増田セバスチャン氏のミッフィー
    (写真左から)大図まこと氏、福田利之氏、菊地敦己氏、増田セバスチャン氏のミッフィー
  • (写真左から)佐野研二郎氏、寄藤文平氏、展覧会のアートディレクションを担当した祖父江慎氏のミッフィー
    (写真左から)佐野研二郎氏、寄藤文平氏、展覧会のアートディレクションを担当した祖父江慎氏のミッフィー
  • 気仙沼ニッティング&ほぼ日刊イトイ新聞のミッフィー
    気仙沼ニッティング&ほぼ日刊イトイ新聞のミッフィー
  • (写真左から)ひびのこづえ氏、鹿児島睦氏、tupera tuperaのミッフィー
    (写真左から)ひびのこづえ氏、鹿児島睦氏、tupera tuperaのミッフィー
  • 小泉誠氏のミッフィー
    小泉誠氏のミッフィー
  • 長坂常氏のミッフィー
    長坂常氏のミッフィー

ここでは紹介しきれないが、会場では他にも出版されなかった絵本の原画や映画で使われた模型、たくさんの原画が展示されている。ブルーナ氏の妻、イレーネさんは彼の絵本の魅力を「とにかくシンプルなところ。無駄なものはなにもない」と話す。洗練されたラインの美しさやキャラクターの愛らしさをシンプルに楽しめる松屋銀座会場での展示は5月10日まで。60年分の愛にあふれた展示にぜひ足を運んでいただきたい。

(※画像のクレジットはすべて、Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2015 www.miffy.com)

誕生60周年記念 ミッフィー展
http://www.miffy60-exhibition.jp/