第9回黒田昌吾(漆工芸家)
[桐山登士樹の推薦文]
黒田昌吾さんと私の出会いは93年の高岡クラフトコンペに遡る(この年から工芸都市高岡クラフトコンペのアドバイザーに任命された)。91年、黒木靖夫審査委員に絶賛されたスーパー楕円の漆器(金賞・作品名「朱塗合子」)は、目にしたことのない美しいデザインで、これまで二分されていたクラフトとデザインの境界線をブチやぶる作品だった。
黒田昌吾さんは、富山大学経済学部卒業という学歴を持つ。そして、25歳の時に高岡市伝統工芸技術者養成スクールに入り本格的にクラフトを生涯の糧に選んだ。その後の活動は、プロフィールに記載されている通り順風そのものといえよう。
私が知る93年以降、創作活動に自信が持てたのか作品全体に安定したうまさが漂うになってきた。しかし、私はあえて厳しい注文を出したい。91年の「朱塗合子」の様な、新たな試みにどんどん挑んでほしい。一生活者として作品を購入して来たが、そろそろ新境地を見てみたい。そんな気持ちが高まりつつある。まだ、三十代半ばと年齢的にも若いので充分期待が持てる。また、他のジャンルのクリエーターとのコラボレーションなどの機会を求めて、クラフトの世界観を広げてほしいと切に思っている。
黒田昌吾 / Shogo Kuroda
[略歴]
1963年 | 富山県高岡市生まれ |
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1986年 | 富山大学経済学部卒業 |
1988年 | 高岡市伝統工芸技術者養成スクール 漆工コース(~92) |
1989年 | いきいきクラフト20人展(松屋銀座:東京) |
1990年 | 富山県デザイン展 大賞(以後入賞5) |
1991年 | 高岡クラフト展 金賞(以後入賞5、審査員賞2) |
1993年 | 朝日現代クラフト展 入選(94)(01)(03) |
日本クラフト展 入選(96) | |
1994年 | 個展(山田平安堂 代官山ギャラリー:東京) |
1995年 | 個展(キャトルテラス:東京)(97)(99) |
1996年 | ○□のうつわ展[池田充章氏と二人展](山田平安堂 阪急うめだ店:大阪) |
いつもの器 黒田昌吾漆展(エルフ富山アートギャラリー:富山) | |
1998年 | 工房からの風 招待出品(ニッケコルトンプラザ:市川) |
Designer's Catalogue-4(松屋銀座:東京) | |
1999年 | おわん展(OZONEリビングデザインギャラリー:東京) |
OMOSHI展(松屋銀座:東京) | |
2000年 | ビアマグランカイ3 審査員特別賞(札幌芸術の森) |
京都デザイン大賞 入選 | |
酒盃台展 入選(伊丹) | |
漆三人展(松屋銀座クラフトギャラリー:東京) | |
2001年 | OUTLINE展(フローギャラリー:ロンドン) |
2002年 | 高岡市伝統工芸産業優秀技術者 表彰 |
若手作家二人展(山田平安堂:東京) | |
2003年 | 金沢わん・One大賞2003 準大賞(香林坊大和:金沢) |
2004年 | 第22回朝日現代クラフト展 招待出品(大阪うめだ阪急、横浜都筑阪急) |
[連絡先]
〒933-0866 富山県高岡市清水町2-2-11
tel : 0766-22-7898