Museum Shop

原美術館

既存のアールデコ様式と違和感ないよう幾何学形態を基調として空間構成、現代美術館らしくモノトーン仕上げとした。店内を歩き回りながら興味がわくように目線に高低をつけ、家でミュージアムグッズを飾っているかのようにディスプレイ。
使いやすさにこだわり、沢山あるカードを美しく整理するため透明アクリルボックスを60個用意、そのボックスを可動棚に取り付け独立させた。数百種類あるポスターは選びやすく整理しやすいように開閉ボックスを壁に取付。床面積60㎡ほどの空間を明るく広く感じてもらえるよう、白を基調に透明なアクリルや反射するステンレスを使用。

• インテリアデザイン：合川通子
• 場所：原美術館内
• 施工：井上工業
• 竣工：1989年

Museum Shop

ハラミュージアムアーク

ショップとカフェの別棟は自然のなかに建つ正方形の箱に三角屋根をのせたシンプルな空間。インテリアは外観に連動させて箱のイメージが基調として、階段状の展示棚と大きなアンフォルメルな展示台をプラス。カフェとの仕 切りは、窓に見立てたカード用透明アクリルボックス付き可動棚。草原にある現代美術館のショップらしく木材を素材として白・ホワイトベージュ・グレイに仕上げ、窓からのぞくグリーンで爽やかな空間を演出。隣接した牧場から親子づれのお客様も多いため、カラフルな商品をレイアウトしておもちゃ箱のような楽しい雰囲気のディスプレイを心がけた。

• インテリアデザイン：合川通子
• 場所：ハラミュージアムアーク別棟
• 施工：井上工業
• 竣工：1990年

オリジナルグッズ

美術館には制約がある。「作品に手で触れないで下さい」「喫煙禁止」「飲食禁止」「走らないで下さい」など。ルールをネガティブではなくポジティブに表現できないかと考えた。美術館は、みて、きいて、学んで、作品について話し合って、楽しんで、ぶらぶらして、夢みて……という場。アートに接して「あなた自身をリフレッシュしてください」というメッセージを発信したい。美術館の制約には、文字をマークで消してデザイン、カラフルで楽しいイメージに仕上げた。サインとして美術館内にも表示。このコンセプトのデザインはハンカチの他、Tシャツやショッピングバックにも展開。

ハンカチ

• 企画・デザイン／合川通子
• 販売価格／各700円、2枚セット1,000円（制作年当時）
• 素材・技法／ハンカチに染色（白地とグレイ地の2種類）
• 制作年／1989年

Tシャツ

• 企画・デザイン／合川通子
• 販売価格／3,000円（制作年当時）
• 素材・技法／Tシャツにシルクスクリーン（白地とグレイ地の2種類）
• 製作／凸版印刷株式会社
• 制作年／1989年

オリジナルグッズ

ハラミュージアム アーク・ポップアップカード

ハラ ミュージアム アーク開館を記念してグリーティングカードを企画。
建築図面からその特徴を単純化してポップアップカードにおこしデザイン。
年賀状用の「HAPPY NEW YEAR 1991」エンボス加工入りとブランクカードを製作。

• 企画・デザイン／合川通子
• 素材・技法／紙に切り込み・折り、文字はエンボス加工
• 販売価格／300円（制作年当時）
• 印刷／凸版印刷株式会社
• 制作年／1990年

商品広告

音のビジュアル・イメージ

マイクの音の特質をどのように表現すれば正確に伝えられるか、どのように魅力を再現しようかと考え、音をビジュアル・イメージ化することに。音の世界を空間に演出しスタジオにて撮り下ろし。一目で音の特徴をイメージできるようデザイン。

SIDE-ADDRESS

音の芸術品と賞される一切の妥協を排したピュアで鮮烈な音、格調高いクラッシックモダンなフォルムのサイドアドレス・マイクロフォン。そのイメージを芳醇な薔薇の花びらに託して。

BOUNDARY

設置場所を選ばすクリアーで情感豊かな収音をするタフでコンパクトなバウンダリー・マイクロフォン。アスリートの足音をしかっりとキャッチ、臨場感溢れる収音。砂面に設置。

HANDHELD

伸びのよいナチュラルな音でボーカルから楽器まで変幻自在なパフォーマンスを引き出すハンドヘルド・マイクロフォン。ステージやカラオケで活躍する姿を色鮮やかなネオンで表現。

HANDSFREE

小さなボディに秘めた高性能ユニットがとらえる音は端正で伸びやかなハンズフリー・マイクロフォン。タイピン型はどこでも付けられます。黄色のニットの上に配置。

SPECIAL PURPOSE

密封型の完全防水タイプは、調査や研究に欠かせないタフでパワフルな音の探知機。雨の中、草木に潜むスペシャルティ・マイクロフォン。

• オーディオテクニカ・プロオーディオ総合カタログ
• アートディレクション：合川通子
• 写真：堀内マサヒロ
• サイズ：A4サイズ　総58ページ
• 技法：オフセット印刷
• 制作年：2001年

会社広告

ビルボード「音の芸術品」

技術者たちの熱い想いが生み出したサイドアドレス・マイクロフォンは音の芸術品。音響専門メーカーとして品格と自信をダイレクトに表現。

• オーディオテクニカ会社広告
• アートディレクション：合川通子
• 写真：堀内マサヒロ
• サイズ：H6130×W4130×S120mm
• 素材：シートプリント、ネオン内蔵
• 設置：2002年～2003年　東京都銀座
• ※この薔薇のイメージは、CM映像（サマソニック　2003年）にも登場。

商品提案

段ボールの玩具「天球の家」

星空を見上げると、夢が広がる。星を眺めることは、普段の暮らしのなかで宇宙の大きさを感じさせ夢を育みます。私が幼い頃友だちと一緒につくった秘密基地（隠れ家）は、初めての個の世界であり、人とのコミュニケーションの場でした。身近に自然が少なく物騒な世の中、21世紀の子どもたちには屋外に秘密基地をもつことは難しいのかもしれません。そこで屋内で楽しめる段ボールの隠れ家「天球の家」をデザイン。
暮らしのなかで異空間を創り出せる玩具は、友だちと一緒に遊びながら、夢と想像力を育んでくれるに違いありません。

いつでも星空を見上げることが可能な球体の内部空間は、中央に児童が立てる130cmの高さに設計。広さは314m²、2畳近くあるので5～6人はゆっくり入れます。5角形の段ボールを組み合わせて球体をつくり内部は夜空のような濃紺の世界、星の穴から昼間は太陽の光・夜は照明の光が入って黄色く星のように輝くという仕組み。正確な星座をもとに星の位置に穴があいているので星座の勉強もできます。外面は白いドーム型をしており、子どもの家としてのペイントしてもいいでしょう。組み立て図を見ながら先生と児童・親子・友だち同士で協力しながら作ってみてください。
段ボールは暖かく柔らかい素材、軽量で穴あけ加工やペイントが容易、組立・分解が簡単です。星の穴が空いている段ボールを金具で留めて大きなドーム型に組み立て、一切、接着剤を使わない工作だからシックハウス症候群などのアレルギーへの心配がありません。リサイクル率100％に近い安価な素材を使って、エコロジーに配慮した環境デザイン。

• デザイン：合川通子
• サイズ：H1500×W2000×D2000mm
• 技法：ホワイト段ボールにペイント、ボルト、ネジ
• 制作年：2003年
• かわさき産業デザインコンペ2003　佳作受賞