第91回森 豊史(デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
非常勤で勤務している富山県総合デザインセンターからクルマで15分ほどの場所にタカタレムノスはある。今回紹介する森豊史さんが務める会社である。川崎和男さんのデザインクロック以降、この分野ではパイオニア的役割を果たしている。この会社のデザイン部門をまとめているのが森さんである。森さんのデザインは、この1~2年で飛躍的に上手くなった。例えるなら長いトンネルから抜けた感じがする。地域のリソースをうまく引き出したり、他のクリエーターとのコラボレーション等々、まとめ方が充実した。力の抜けぐわいがとても良い。英国のコンランで採用された「Da+R(デザインアレイ・リボーン)」は、特に好きなデザインである。デザインは生き物であるが、同時に作り出すデザイナーも生き物である。そんな成長というか、時間軸でしっかりデザイナーを見続けることが大切であることを改めて知った一人である。本職の建築にも再チャレンジしているようなので、こちらでの成果も期待したい。

森 豊史 / Toyoshi Mori
illustration : 100%ORANGE
[略歴]
1996年より国立公共建築の意匠設計を開始、後にC+Aにて大学施設およびマスタープラン、都市計画、コンペの参加を行う。1998年より公立大学デザイン&環境工学研究員。同年より(株)イデーへのデザイン協力として空間およびプロダクトデザインをスタートする。2000年から(株)タカタレムノスのデザインを総合的にまとめている。現在はプロダクト、グラフィック、映像、建築のデザインを行っている。
デザインした製品は国内ではリヴィングモチーフ、アクタス、バルス、スパイラル、シボネ、松屋銀座、ドリアデ、イデー他で、海外ではTHE CONRAN SHOP、ARTEC、Tortoise、Marks and Spencer、Gallery 91他で販売されている。
※順不同敬称略
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