第85回caro(デザインスタジオ)
[桐山登士樹の推薦文]
昨年のミラノサローネサテリテ会場で初めてお目にかかった。一つ一つは特徴があり、どこかエッジの利いたデザインなのだけれど、ブースとしてのまとまりがない。そのことを初対面ではあったが、お二人にお話した。多くの日本人デザイナーが必ず間違うのは、目いっぱい縁日の露店の様に風呂敷を広げてしまうことだ。こんなに情報が溢れ、速度が速い時代に引っかかってくれるのは、時間を持て余している人だけである。ビジネスマッチングの場であるサテリテは、いかに経営者の目に留まるかである。その為には、一つのデザインに特化したミニマル展示にするか、一つのデザインを空間全部を使って表現化するかどちらかである。今回、紹介するデザインでもお分かりのように、このユニットは大きく飛躍する質量を持っている。次回お会いするときは、頭の中に収めているビジョンを鋭く聞き出してみたい。チャンピオンを夢見るボクサーの様に前に向かうとする闘志を感じる。

caro
山口英文 Hidebumi Yamaguchi
折山優子 Yuko Oriyama
山口英文(やまぐち ひでぶみ)
1965年東京生まれ。
1990年多摩美術大学卒業後、富士通株式会社にて情報機器のデザイン開発に従事。
在職中は、パーソナルコンピューターや携帯電話などのデザイン開発、商品全体のデザインアイデンティティ確立へ向けての業務に従事。1997年、富士通退社。
OUZAK DESIGNを経て、1998年よりデザインスタジオ「caro」代表。
折山優子(おりやま ゆうこ)
東京生まれ。東京デザイン専門学校を卒業後、企業向けの商品企画開発に参加。
その後、グラフィックデザイナーとしての活動を続け、1998年にデザインスタジオ「caro」を山口英文と共にスタートさせる。
[caro略歴]
- 1998年よりcaroとして活動。
- 2003年より家具、インテリア商品のプロダクト開発をスタート。
- ミラノ、パリ、ロンドンにてデザインを発表。
- 現在、情報機器から家具・照明シリーズまで幅広いデザイン開発を展開中。
[展示会・イベント]
- 2003 東京デザイナーズウイーク・コンテナエキシビション
- 2004 Salon Du Mueuble Paris
- 2004 100%DESIGN LONDON
- 2004 東京デザイナーズブロック
- 2004 東京家具国際見本市・デザイナーズギャラリー
- 2005 Milano Salone Internazionale del Mobile, Salone Satellite
- 2005 東京デザインセンター
- 2005 銀座三越 SOON@MITUKOSHI GINZA
- 2005 Gallery UND Sound project1
- 2005 東京デザイナーズウイーク・プロ展
- 2005 Design Tide in Tokyo・ ポールスミス ピンク代官山店
- 2005 Gallery UND Sound project2
[受賞暦]
- ・デザインイノベーション レッドドット賞(ドイツ)
- 1998年度 Red Dot コミュニケーション/メディア/ホームエンターテイメント部門
- 1999年度 Red Dot for Highest Design Quality 「The Designers of the best of the best」
- ・財団法人日本デザイン振興会 グッドデザイン賞の受賞多数
[その他]
- 日本インダストリアルデザイナー協会正会員
- 日本デザイン学会会員
[連絡先]
caro
Web Site : http://www.caro-design.com
E-mail : info@caro-design.com