第7回川口とし子(建築家)
[桐山登士樹の推薦文]
川口とし子さんは、いつも等身大のエネルギーをぶつけてくる人だ。等身大以上でもなければ、以下でもない。実に爽やかで実直な性格が滲み出るデザイナー(建築家)だ。
その川口さんが手がけるデザインは、性格がストレートに現れている、隠せない人だ。97年にイオスから商品化した「エスカルゴ」は、4つのサイズ違いの本箱が蝶番を起点にボールキャスターによってスムーズに広がるデザインを特色としている。このデザインにも、新潟の桐箪笥屋の娘として育ち子供の頃聞いたであろう職人さんたちの切れの良いカンナの響きが封印されている。今年の2月に発表した桐の家具シリーズは、4月のミラノサローネに出品し好評を得た。
この世界が好きでたまらない、川口さんの本領がさらに発揮されるウェーブはますます近づきつつある。

川口とし子 / Kawaguchi Toshiko
[略歴]
- 1956年 新潟県加茂市生まれ
- 1982年 日本大学理工学部大学院建築学修士課程修了
- 1983年 (株)東畑建築事務所勤務(~86年)
- 1987年 アトリエ・ホライン(ウィーン勤務)
- 1989年 アーキスタジオ・オゾン設立
- 1993年 アーキスタジオ・カワグチに改称
- 現在 建築活動の他、インテリア・家具・プロダクトのデザイン及び日本大学理工学部非常勤講師を務める
[代表作]
建築
- 「ホテル花文」(新潟)
- 「STUDIO HOUSEU」(東京)他
インテリア・展覧会
- 「DESIGN BOOKS」(東京)
- 「ILLUSION 建築・第三の皮膚」展(リビングデザインギャラリーOZONE)
- 「KIRI OLTRE LA TORADIZIONE」展(ARTE GAPPONE/ミラノ)
家具・照明器具
- 桐本棚「ESCARGOT」
- ソファー「Marco」
- 「BAMBOO LIGHT(FOLDING SCREEN、STAND)」