第70回BarberOsgerby(デザインユニット)
[桐山登士樹の推薦文]
ミラノで活躍するジェームス・アーヴィンから「バーバーオズガービーが日本に行くので会ってほしい」とメールが届いた。同様の内容がミラノで活躍するビジネスパートナーの森ひかるさんからも届いた。時同じくして、ジャーナリストの中島恭子さんからも「日本に行くので桐山さんに会いたいと彼らが言っている」とロンドンから連絡をいただいた。凄い!二人のことは、イタリアのカッペリーニでのデザインを見て知っていたがお会いするのは始めてだった。
10月初旬、滞在中の渋谷のホテルカフェでお会いした。エドワードとジェイの二人組みは、とてもナイスなデザイナーだった。彼らのデザインプログラムの巧みさに久しぶりに熱くなる自分を覚えた。着眼、解読、構築、デザインの流れが明確である。デザインがデザインとして存在する意味がある。才能と可能性を秘めたクリエーターとの出会いは、本当に楽しいひと時であった。
そして、ガツガツしていない身のこなし方、真摯な態度にも好感を持った。さらに彼らは、いま直ぐ仕事が欲しいのではなく、私たちのデザインをメディアの人とか、然るべき見識者に見て欲しいとリクエストされた。しばらく彼らのデザイン活動を注意深く見て行きたい。

BarberOsgerby
Edward Barber(エドワード・バーバー)【上】、
Jay Osgerby(ジェイ・オズガービー)【下】
[略歴]
Edward Barber(エドワード・バーバー)
1969年イギリス生まれ。リーズポリテクニックでインテリアデザインの学士号を、
ロイヤルカレッジオブアートで建築とインテリアデザインの修士号を修める。
1996年からBarberOsgerbyのディレクターを務める。
Jay Osgerby(ジェイ・オズガービー)
1969年イギリス生まれ。ラベンスボーンカレッジにて家具・プロダクトデザインの学士号を、
ロイヤルカレッジオブアートで建築とインテリアデザインの修士号を修める。
1996年からBarberOsgerbyのディレクターを務める。
エドワード・バーバーとジェイ・オズガービーはロイヤルカレッジオブアート時代に知り合い、1996年にイソコンプラス社から発表されていたループテーブルがイタリアの家具メーカーのカッペリーニの目にとまったことから、本格的なデザイン活動をスタートさせた。以来マジス社、オーセンティックス社、イソコンプラス社、ダミエン・ハースト、ステラ・マッカートニー、ポール・スミス等をクライアントに持ち様々なフィールドで活動。
ビクトリア・アンド・アルバート美術館デザインアワード(2001)、IDマガジンデザインアワード、デザインウィークアワード(2003)等、多くの賞を受賞し、展覧会や雑誌にも頻繁に登場し、ミュージアムコレクションになる作品も多く制作している。
他方、デザイン教育にも力を入れ、多くのデザイン学校で指導・講演を行い、サザビー主催で行われたLOSAプロジェクトにも参画。
南アフリカで職人育成に携わり、社会活動にも貢献している。