Window Telephone　ウィンドウ・テレフォン　1990 / コンセプトモデル

窓ガラス面に固定し使用する電話のコンセプトモデル。
機器と行為は窓辺という場所に関係付けられ、電話をかける者はその場所を想像し会話をする。

「window-frame-horizon」　ウィンドウ-フレーム-ホライゾン　1991 / インスタレーション

窓をモチーフとしたインスタレーション。
窓を3次元的に捉えなおしモデル化を試みた作品。空間と身体のインタラクションの実験であり、思考する為の道具として制作した。

• 素材：アルミニウム、ガラス他
• ギャラリー現　銀座/東京

「最も遠くにある音に耳を傾け、それに音を付け加えてみる。」　1996 / インタラクティヴ・インスタレーション

センサーとコンピュータを用いたインタラクティヴなインスタレーション。
庭園的な見立てにより配された構造物と数種類の音で構成されている。

• 素材：スチール、アルミニウム、コンピュータ、プログラム、MIDI機器他
• カノーヴァン　名古屋

L2W　1999 / ラウンジ・チェア

プロトタイプ

片アームのラウンジ・チェア。アームを背もたれとして使うことで異なったポジションで二通りに座ることができる。また対称形の二つの椅子を並べることで二人掛用にもなる。
NESS/Blueprint ファニチュアデザイン・コンペ　一等（イギリス）

• 素材：スチール、成形合板
• W626 x D650 x H700 (mm)

Gallery Stool　ギャラリー・スツール　1998 / スツール

プロトタイプ

写真（左）　ギャラリーやミュージアムの展示室内で行われる短時間のレクチャー用としてデザインされた軽量でスタッキング可能なスツール。

写真（中央）　縦横で二通りの座の高さで使用できるため、展示物を前にしたレクチャーでも参加者は位置にあった座の高さを選ぶことで視点の高さを調節し広い前方への視界を得ることができる。
ここでは人間の行動の自由度を高め、心理に応じて状況に適した空間が自然に形づくられていくことを促すような道具を目指している。

写真（右）　専用トローリー
トローリー一台につき20脚のスツールが高密度なスタッキングでコンパクトに納められる。
移動時、未使用時は積まれたスツールをシートでカバーして安定させ、またそのカバー上にレクチャーのインフォメーションなどを示すことで全体がサイン的な機能も果たす。

Docklands Project　ドックランズ・プロジェクト　1999 / コンセプトデザイン

プロポーザル

ロンドンの東、再開発地区であるドックランズを舞台に場所の特殊性と歴史的文脈に着目し自然と情報等を含めた人工的要素が混交する実験的な空間の提案を行った。
回遊式の庭園に見立て、水際に幾つかのネットワーク化した装置や環境のパラメータに連動する装置などからなる領域（エリア a,b,c）を配置し連結させることで多様な空間体験を可能にしている。

写真（左）　エリアA
瞬間調光フイルムをピクセル状に敷き詰めたガラスのキャノピーと斜面 を組み合わせた場を作り、ネットワーク上の情報や放送電波、環境のリアルタイムのパラメーターによって自動生成されるピクセルのパタンを調光フイルムを制御し影として斜面 に投影する装置、または空への借景をつくり出す装置として提案した。

写真（中央）　エリアB
水際に建てられた重量感のある鉄製の壁は、その周辺を歩くものの水面への視界を遮り、風の流れに変化を与える。厚さ30mm、高さ2500mmの微妙に彎曲し斜に立つ鉄の壁に3つの直径150mm前後の穴があけられている。その中の一つに電子的な小型のビュー・ファインダーがレンズ型のガラスの中央にマウントされいる。
ビュー・ファインダーに写し出される映像は仮想的にそのファインダーの向かう方向のリアルタイムの風景をバックグラウンドに様々な要素がスーパーインポーズされ現れる。コンテンツは風向や気温、時間などその場特有のパラメータでドライブし映像をアニメートしている。例えば場の歴史性を意識させる為に過去の風景と現在のリアルな風景のオーバーレイや原寸の地図が空に広げられている様子など。現実の場所に立ち会い、映像的に時間と空間がコラージュされた視覚体験をすることで、より多様なかたちで場を認識する端緒を与えることがこの装置の目的である。

写真（右）　エリアC
白い貝殻のような曲面は水辺までのアプローチであり、空からの音を聴く為の場である。
アプローチの中央部分に音響レンズとして機能する面があり、上空の音を特定のポイントに収束させるようになっている。偶然にもそのポイントに立っていれば、ロンドン・シティ・エアポートに離着陸する飛行機の風を切る音や鳥の声の細かな違いを聴き取ることができる。また、このアプローチは、町の機能を拡張する為に仮設的に接岸され利用される船型の構造物の小さなドックとして機能する。

Aerial Ladder　エアリアル・ラダー　2001 / 本棚

梯子のように天に延びる本棚。
情報が電子化され物質としての本の在り方が変質しつつある状況をふまえ本棚を再考察し「身近に置く本は気に入ったものだけ数冊あれは良い」という発想でデザインされている。
既存の本棚のスケールと機能を最小限にすることで垂直に延びる梯子の記号性とつながり象徴的な形態のオブジェクトとなっている。

• 素材：アルミニウム、ブラス、ブナ材
• W300 x H2000 x D300(mm)

「大気の地形にそって」　2001 / インスタレーション

アートスペース　青山/東京

「空」、「空気」、「気象」をモチーフに「空間の知覚とそれが誘発するもの」をテーマとした光、音、構造物を使ったインスタレーション。フェルトで被服された鉄の構造物、その上に対比的に配置された布による球面。その背後に設置されたブラックライトからの光は微弱で空間を視覚的に知覚し難いものにしている。布面で拡散した光は青い可視光となり方向をもたずに漂う。（写真は実際より明く補正されている）
外部の光が遮断された青く薄暗い空間は目が暗さに順応するまで室内にある多くのものがよく知覚できない。視覚的に不明瞭な空間の中では聴覚と触覚に頼ることになる。