第40回天野忠夫(デザイナー、デザインコンサルタント)
[桐山登士樹の推薦文]
多くのデザイナーは、どこかで独立するタイミングを見計らっている。保障というメジャーがない世界だけに独立までには、期待と不安が交差する。今回紹介する天野忠夫さんは、数々の受賞暦と巨匠の元での最終フィニッシングを終え、三十代半ばでフリーランスデザイナーとして独立した。現在の活動拠点であるミラノの地で、さらなる飛躍があるかどうかは、ひとえに運をもたらすデザイン環境への積極的な参画ではなかろうか。2年連続してミラノサローネ9号館サテリテに参加され、本人の意気込みは強く感じる。さて、今回紹介するデザインからは、ディテールまでこだわる天野さんのプロ魂を見た。特にコンシューマーを対象としたデザインは、ディテールの処理が命となるただけに簡単には妥協できない。かの地でクライアントにも恵まれ、「意識」と「デザイン」とがさらなる高度な展開へと広がってほしい。

天野忠夫 / Tadao Amano
[略歴]
1956年 | 山梨県生まれ |
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1978年 | 武蔵野美術短期大学専攻科卒業、モノプロデザイナーズ等に勤務 |
1986年 | 第1回国際陶磁器コンペティション美濃`86 審査員特別賞 |
1987年 | 渡伊。A・マンジャロッティ氏とR・サンボネ氏に師事 |
両事務所にて環境・インテリア・プロダクト・グラフィックデザイン等に従事 | |
1989年 | フリーランスデザイナーとしてイタリアを中心としたヨーロッパと日本で活動開始 |
1991年 | 国際オフィス家具コンペティション「TRAU 1991」第二位 |
1994~95年 | ロンドン・デザインミュージアムにて作品展示 |
2000年~ | ミラノ工科大学にて講義に協力 |
2001年 | 11月同大学で特別講義 |
2002年 | 代官山ヒルサイドテラスでのWoody Frontier Shizuoka2001に参加 |
ミラノサローネ・サテリテに二年連続参加 |
[主なクライアント]
ローゼンタール(独)、ミッソーニ、ルクソッティカ(伊)、三菱テレコム(仏)等作品は美術館やギャラリーで展示され、多数の雑誌、デザインイヤーブック等に掲載されているまた、日経デザイン誌や表参道のインテリアショップ「LIVELAVO」のWEBにミラノ情報を寄稿 http://www.livelabo.com/
[連絡先]
Studio TAD - Design & Consultants