第39回小倉ひろみ(商品色彩プランナー)
[桐山登士樹の推薦文]
小倉さんとは、かれこれ10年以上のお付き合いである。小倉さんがこれまで登場いただいたデザイナーと異なるのは、色彩をデザインするデザイナーである点である。小倉さんからは、これまで色の三原則を含めさまざまな色彩学をレクチャーいただいた。カラーが織り成す未知なる世界は、すでにCG上でさまざまなサイエンスを繰り広げている。一方、癒し空間とカラー、公共建築とカラーなど環境にまつわる色彩デザインは興味深いものがある。とかく無意識に接しているものでも小倉女史の手にかかると自在に色彩による可能性が見出せる。独自に開発したシミュレーションや色彩分析システムによって、私たちの生活、時間、場面に快適なカラーのあり方を提示してくれる。こうした分野が大切なことは、周りの環境を眺めるとより実感できる。日本の都市が美しくなるためにカラーは重要な要素である。

小倉ひろみ / Hiromi Ogura
東京生まれ
1982年 | 東京芸術大学美術学部デザイン科インダストリアルデザイン修了 |
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1982~86年 | NECデザインセンターにて電話機・ファクシミリ等の外観デザインを担当 |
同社ブランドの1号機となった横長電話ベリーナはGマークを受賞、現在のホテル用電話の原型となる | |
1987年 | NECを依願退職し、ミラノに渡航 |
同地のCDM社にてインテリア・工業製品の色彩・素材デザインの業務に従事 | |
クライアントは日本・イタリアを始め、欧州~北米に及ぶ | |
1990年 | 帰国 |
景観~工業製品に至る色彩と素材デザインを専門とするデザイン事務所スタジオピーパを設立 | |
1994年 | 同事務所を株式会社にし、現在に至る |
日本色彩学会会員
金沢美術大学非常勤講師
業務範囲
- ・プロダクトカラーリング:市場動向調査&分析から、提案、製造時における色管理まで、トータルな商品色彩&素材デザイン
- ・プロダクトカラーストラテジー:プロダクトアイデンティティ構築のための、社内における戦略的色彩運用方法の構築
- ・マテリアルデザイン:内・外装材の市場動向調査&分析、質感&色選定・製造立ち会い、販促カタログ作成まで
- ・商品トレンド情報収集および分析
- ・実践的なノウハウを中心としたデザイナー向けの色彩セミナー
■ 展覧会
イタリアとマナブ展 | 2001年 | 新宿オゾン/ATC大阪 |
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ガラス展 | 1998年 | 新宿オゾン |
折り返し展 | 1997年 | AXISギャラリー |
■ 講演・研究活動
キヤノン社内セミナー | 色彩 | 2000~2002年 |
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日本デザイナー学院 | 色彩 | 1999~2001年 |
エプソン社内セミナー | 色彩 | 2000年 |
富山デザインセンター | 色彩セミナー | 1999年 |
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス | 藤旗研究室訪問研究員 | 1997~1999年 |
日本色彩学会 | 色彩セミナー | 1998年 |
台湾YAMAHA社内セミナー | 色彩 | 1993~1997年 |
■ クライアント
松下電器産業株式会社・株式会社NECデザイン・キヤノン株式会社・エプソン株式会社
LG電子(ディックカラーアンドデザイン株式会社)・株式会社トランク・カツヤ産業株式会社
株式会社イトーキ・東リ株式会社・昭和フロント株式会社・キヤノン販売株式会社
コンビ株式会社・YAMAHA発動機株式会社・台湾YAMAHA発動機・有限会社造景工房 他