第37回清水久和(デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
日本は世界で類を見ないデザイナーを有する国である。その大多数のデザイナーは、企業に所属し、インハウスデザイナーとして活躍している。日々先進技術と接し、ディテールの処理とコストバランスの間で格闘している。では、デザイナーの特権である新たな価値創造という側面ではどうであろうか。残念ながら必ずしも高いとは言えない。その理由としては、一業種4、5社も世界的な企業が名を連ねる環境ゆえ、イノベーティブな開発を避ける傾向がある。(これからはもっと変わる)
さて、今月紹介する清水さんは、企業に属しながら独自のデザインを追い求めている勇敢なチャレンジャーである。企業での活動と個の活動を、ものの見事に整合させている。企業ではハイテクの塊であるカメラのデザインを担当し、自らの活動ではご覧のように生活雑貨を中心にローテクデザインを実践している。私は、こうした前輪・後輪の活動がもっと日常的にできる環境整備の必要性を感じている。政治に構造改革が求められているように、インハウスの活性化も大命題である。

清水久和 / Hisakazu Shimizu
[住所]
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3-10-14 コープ恵比寿202
[E-mail]
[URL]
[プロフィール]
1964年 | 長崎県諫早市生まれ |
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1984年 | 桑沢デザイン研究所卒 |
(株)インターフェイス入社 | |
1993年 | PARCO URBANART#2 タナカノリユキ賞受賞 |
1994年 | 第6回あかりのオブジェ展 日比野克彦賞受賞 |
1995年 | 独IF賞受賞 |
1997年 | 個展「愛のバッドデザイン展」開催(リビングデザインギャラリー) |
「愛のバッドデザイン」産業考現学編 限定出版 | |
小学館「ラピタ」誌に「愛のバッドデザイン」連載 | |
1998年 | リビングデザインセンターOZONE主催「スーパースイッチ展」出品 |
第1回雑貨デザインコンペ 大賞受賞 | |
東京デザイナーズウイークデザインプレミオ エーディコア賞/ヤマギワ賞受賞 | |
1999年 | リビングデザインセンターOZONE主催「スーパースピーカー展」出品 |
東京デザイナーズウイークデザインプレミオ GRAND PREMIO賞受賞 | |
同時にMarutomi賞、 MAio-Gusse賞、 Fran fran賞、カッシーナ・インターデコール賞受賞 | |
2000年 | リビングデザインセンターOZONE主催「AKARI PRODUCTS」出品 |
リビングデザインセンターOZONE主催「スーパーポスト展」出品 | |
「Water Planet Store」出品(ミュゼ大坂ギャラリー) | |
Koike Agency主催「Dream Design Project」第1回コレクション出品 | |
2001年 | デザイン誌「AXIS」に「MADE IN PEOPLE---日常の佇まい」連載開始 |
Koike Agency主催「Dream Design Project」第2回、第3回、第4回コレクション出品 |
現在、キヤノン(株)にてカメラのプロダクトデザインを担当
2002年1月より、デザイン誌「AXIS」に「MADE IN PEOPLE---愛のバッドデザイン」連載中