第2回高市忠夫(建築家・プロダクトデザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
高市忠夫は建築家である。イタリアの多くの建築家がプロダクトデザインと建築を差別することなく、同軸上で捉え実践しているように「境界線はない」と考えているひとりである。そのことは、高市の事務所名「高市 都市・建築・デザイン」によく表れている。
フィロソフィーを綴った事務所案内の文中で、高市は「現実的であるより感覚的であれ、存在性よりも記憶的であれ、規則というより好みであれ、意識と言うより感動であれ…そう、イタリア人のように生活にこだわつて人生を楽しむ事から始まります。私達は常にこのような視点から都市から身の回りに存在するものまで、バランスのとれたデザインを実践したいと考えています。」と、綴っている。
今回紹介するデザインは、高市がイタリア時代に手掛けたモノだ。当時、高市はミケーレ・デ・ルッキの事務所に所属していた。滞在7年間に何度となく事務所を訪問した私は、ミケーレが高市を信頼している様子をハッキリ見ている。
このデザインは、イタリアデザインの特徴であるデザイナーの創造力と、それに適したマテリアルによりデザインされている。シンプルだが印象に残るフォルム、個々のパーツによる構成が楽しい。今後ますます意欲的なデザインを実践してほしい一人である。

高市忠夫 / Tadao Takaichi
[略歴]
1956 | 大分県生まれ |
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1979 | 日本大学建築工学科 耐風工学研究室卒業 |
1979-87 | 浜野商品研究所環境計画部勤務(東京) |
1987-94 | Studio De Lucchi s.r.l.勤務(ミラノ) |
1994.5 | 高市 都市・建築・デザイン 設立(東京) |
[仕事のフィールド]
- 地域計画
- 建築設計
- コーポラティブ住宅コーディネート
- インテリアデザイン
- プロダクトデザイン
- 商品開発デザインコンサルタント
- グラフィックデザイン
[受賞]
1989 | ○Selezionato al Forum Office Design - Kartel Segment |
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○Selezionato 5 Stelle ADI-Tecnhotel - Kartel Segment |
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1991 | ○Eimu Milano Office Design - Kartel Segment |
1995 | ○Selezionato per il Premio Compasso d'Oro ADI 1994 - Interform Sintensi Bath Accesory |
1997 | ○旭ガラス Inter-Intra Space Design Selection - 「LUMINOUS」倉俣史朗展 |
○(社)日本ディスプレイデザイン協会ディスプレイデザイン賞97 - IM Product Exhibition |
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○(社)ディスプレイ業団体連合会ディスプレイ産業賞97 - IM Product Exhibition |
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1998 | ○旭ガラス Inter-Intra Space Design Selection - IM Product Exhibition |
○北海道赤レンガ建築賞 大賞 - 相原求一朗デッサン館 |