第28回秋田道夫(プロダクトデザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
ミラノのマンゾーニ通りに昨年10月にオープンしたアルマーニのライフスタイルショップは、近隣のブランド店の中でも異彩を放つトレンディスポットである。なかでも地下のソニーショップ(ショールーム)はかっこいい。このショップは、時代に機敏にシンクロするファッションデザインと、具現化までに時間を要するインダストリアルデザインとのタイムラグがなくなりつつあることを示唆している。
これは大変なことである。こうした状況に対応している日本人IDデザイナーは、もっと自らの証を世界の土俵で大いに語るべきである。
今回、秋田さんの手掛けた8点のデザインを眺めて思ったことは、企業デザインをバックアップする成熟したデザインの現場を垣間見れたことである。
家具等は海外勢に任せるとして、インダストリアルデザイナーの世界進出と正当な評価が望まれる!秋田さんのデザインからそんなことをより強固に確信した。

秋田道夫 / Michio Akita
[プロフィール]
- 1953年6月11日生まれ 47歳 大阪府吹田市出身
- 1977年愛知県立芸術大学美術学部デザイン科工業デザイン専攻卒業
- トリオ株式会社(現ケンウッド)/ソニ-株式会社勤務後
- 1988年に独立 現在にいたる
[受賞歴]
- 1977年度第26回毎日ID賞特選一席オ-ディオコンポにて受賞
- 1995年度グッドデザイン賞
- 1999年度グッドデザイン賞
すばらしい歌い手の曲に共通するのは、「歌の内容」が明確に分かりやすく聞く側に伝わってくることです。
それはあたかもメロディーの海に浮かぶ歌詞が心地よく波にのりながら、しかし波にまぎれることなく聞き手にとどけられます。
プロダクトデザインになぞらえるなら、トレンドの波にのりながら「デザイン」という船が、メッセージを乗せて作り手の陸地から消費者の大陸に、波をとらえて積み荷を濡らす事なく確実に心地よいメッセージをとどけることなのでしょう。
時代という大きなうねりを受けとめながら、それを越えた「美しい形」を世間に送り出せるよう体と心と環境をシンプルに健全にしたいと考える今日です。
[連絡先]
URL : http://www.michioakita.jp/
E-mail : aiua@sky.plala.or.jp