第19回浅野泰弘(デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
浅野さんとの出会いは、1997年11月に行われた富山のプロダクトデザインコンペティションの審査会の席上である。見事大賞に輝いたバスシェルターをデザインした浅野さんではあるが、話はぼくとつとしていて喜んでいるのかよくわからない不思議な人だった。
その後、何度かお会いしてるうちにデザインの社会性、可能性を熱く思い、より強く実践していく道を模索している事に気がついた。プロフィールにもその一端が現れている。たぶんとても器用な人なのだろう。イタリア社会ならまだしも狭いデザイン領域を設定したがる日本では窮屈な思いの連続であったことだろうと推測する。しかし、時幸いにしてボーダレス化現象が顕在化している。これからのデザイン界は、浅野さんにプラス要因となることは間違いない。後は、節目のデザインをどう創出するかだ。

浅野泰弘 / Yasuhiro Asano
株式会社 浅野デザイン研究所
〒141-0031東京都品川区西五反田8-8-16 高砂ビル7F
Tel:03-3490-8681 Fax:03-3490-9746
E-mail:asano@nisiq.net
[プロフィール]
1976年 | 工学院大学建築学科卒 |
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1978年 | 桑沢デザイン研究所Package Design科卒 |
在学中よりフリーのイラストレーター、デザイナー、アーティストとして活動を開始 | |
1979年 | 株式会社 浅野デザイン研究所設立、現在に至る |
活動領域は企業、自治体などのマーク、ロゴタイプ、CI、サイン環境デザイン、インテリア、グラフィック、パッケージ/商品企画、家具、プロダクトデザイン、デザインコンサルタント、キャラクター開発、展覧会会場構成と多岐にわたる | |
1987年 | 渡伊 |
1988年 | イタリアミラノのドムスアカデミー修士課程にてマスター取得 |
1990年 | ミラノトリエンナーレ会場での将来のオフィスの在り方を探る展覧会"Incontro di lavolo"展に出品 |
Alessandro Mendini氏選考による世界の若手デザイナー17人の現在位置"Existenz Maximum"展(フィレンツェ)に選ばれて出品 | |
1995年 | Tadao Amano(在ミラノ)、Maurizio Favetta(イタリア)、Michaela Eger(ドイツ)氏らとデザイングループ"Inter cities"を設立 |
モンゴルの遊牧民住居ゲルを事務所に持ち込みミーテイングルームにして、プリミティブデザインとハイテクデザインの融合を探っています。
講演指導他
1995~現在 | バンタンデザイン研究所非常勤講師、「アートとデザインの中間領域を探る」をテーマに講議 |
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1997年 | 富士通デザインワークショップにてレクチャー |
賞歴/展覧会
1979年 | 第4回 Lotring イラストコンテスト |
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1980年 | 第3回 NAAC展 |
1990年 | Incontro di lavolo展(ミラノ) |
Existenz Maximum展(フィレンツェ) | |
1994年 | リサイクルアルミによる灰皿"Re Al"展 |
楽椅子楽座展に「ゆらぎ」チェアーを出品 | |
1996年 | 暮らしの中のスツール展 |
デザイン遊牧民としての個と全「インターシティーズ展」 | |
1997年 | 富山プロダクトデザインコンペ「小さなバスシェルター」 グランプリ受賞 |
1998年 | 「空間を飾る花器 ── ガラスの可能性を探る」リビングデザインセンターOZONE |
1999年 | ネオプリントアート展、東京展出品 |
作品は、イタリアの雑誌"Ufficio Stile"、新聞 "Italia Oggi"、"La Republica"、"Corriere della Sera"
アメリカの雑誌"Design"ほか"Play Office"、"Business Card II" など様々な雑誌、書籍に紹介されている。
社団法人日本サインデザイン協会会員 通産省産業デザイン振興会、神奈川デザイン機構登録デザイナー
「日本のデザイン会社1000社」「ARTIFILE 3.4.5」に収録