第18回三浦英夫(デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
私が今でも愛用しているヘッドフォンは、三浦英夫さんが20年前にマリオ・ベリーニ事務所時代に担当したデザインであることを後日知った。1980年前後のマリオ・ベリーニは「IDの神様」と言っても良いくらい矢継ぎ早に新鮮なデザインを世に送り出していた時期である。その当時、渡伊した人は今ほど多くなく、三浦氏が多くの刺激を受けながらイタリアでのバール生活に溶け込んでいる姿が想像できる。
これまで何度かビジネスとプライベートでご一緒させていただき、私の中で三浦英夫像は確実に出来上がっている。人好き、ビール好き、家族想い、デザイン職人…、根っからモノづくりが好きな人である。そして、とても出来る人である。しかし、現在の三浦さんには先行デザインの依頼が多く、最終製品までデザインを手がける機会は少ない。私としては、人柄がカタチになったデザインがもっと欲しい。アイデア豊富で、具現化する力をもった三浦さんをもっと担ぎ出したいと考えているのだが、イタリア式デザインを体感している三浦さんには余計なことかも知れない。

三浦英夫 / Hideo Miura
東京都目黒区大岡山2-3-17
Tel.03-3724-4477 FAX.03-3724-4448
[プロフィール]
1953年東京生まれ。京都工芸繊維大学意匠工芸学科卒業。
同大学院中退後、渡伊。ミラノ Mario Bellini デザインオフィス勤務(1979年~1985年)
仏RENAULTのインテリア・エクステリア、BRIONVEGAのTV・オーディオ機器、富士写真フィルムのカメラ、NTTの電話機、YAMAHAのヘッドホーン・ポータブルキーボード、象印マホービンの炊飯器・電気ポット等担当。
帰国後フリーランスデザイナーとして現在に至る。
日本でのクライアントは、セイコー、象印マホービン、富士写真フィルム、日本電気デザインセンター、SONY、立山アルミニウム工業、カンキョー、CANON、NTT等。
主に未来型提案デザインに携わる。イタリアにてスチロールモデルによるデザイン提案の手法を収得し現在でも立体でのデザイン提案が信条となっている。
「デザインしないようにデザインする」最近そう考えている超アナログ人間です。