桐山登士樹が選ぶ 注目のデザイナー

第149回田根 剛(建築家)

  • ESTONIA NATIONAL MUSEUM
  • mina perhonen FASHIONSHOW
  • PLAY 2 PLAY
  • JOHNNY FARAH SHOP
  • WONDERGROUND
  • FKHORY APARTMENTS
  • LUCE TEMPO LUOGO
  • BLUE BEARD’S CASTLE

[桐山登士樹の推薦文]

海外でデザインを実践していくには、強い意志とスキルとマネージメントとコミュニケーションが必要なことは改めて記するまでもない。
田根剛さんが今年のミラノサローネで東芝の会場構成を手がけたことで彼の存在を知った。調べると、欧州の各地で修行を積み、2006年にダン・ドレル、リナ・ゴットメと共にパリにDGT(DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)を設立し拠点としていることがわかった。突然この三人に幸運が訪れる。エストニア・タルトゥ市に建設されるエストニア国立博物館(2014年完成予定)の国際設計コンペティション最優秀賞を若干26歳にして獲得するという快挙だ。
改めて作品を眺めてみると、時間軸でデザインが出来る人だと感じた。無理をしない、以前からその場に存在していたかの様な存在感。しかしよく見るとハイセンスで質的重厚感が漂う。新たなものを創るという意気込みより、そこにある必要性を感じさせ、同時に楽しむスケールまでも処理している点が見事だ。三人の独自の文化的な背景やクリエイティビティティがシナジー効果を発している。若くしてチャンスを掴んだユニットだけに、国際的な評価軸で見られ語られる、これからの活動が楽しみだ。


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田根 剛

田根 剛 / Tsuyoshi Tane

1979年東京生まれ。北海道東海大学芸術工学部建築学科卒業後、デンマーク王立アカデミー客員研究員。ヘニングラーセン・アーキテクツ(デンマーク)、アジャイエ・アソシエイツ(イギリス)にて経験を積む。2006年、ダン・ドレル(イタリア)、リナ・ゴットメ(レバノン)と共にDGT(DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)をパリ・フランスに設立。エストニア国立博物館最優秀賞を受賞(2014年完成予定)をはじめフランス文化庁新進芸術家賞(2008)、ミラノ建築家協会賞受賞(2008)、イアン・チェルニコフ賞・ノミネート等。
http://www.dgtarchitects.com/