第143回下吹越武人(建築家)
[桐山登士樹の推薦文]
建築家、下吹越さんの作品で一番好きな建築は2006年に竣工したキラービルである。事務所に近いので、時たま前を通ることがある。建物は構造とデザインによってモダンな調和を醸し出している。内外の関係をファジーにする事で生まれたインナーバルコニー=コモン空間が価値を高めている。仕事では建築計画のプロジェクトに関わる事も多いが、一番重要なポイントは専有部と共用部を繋ぐ第三の空間=コモンの設定、デザインだと思っている。20年ほど前に建築家で現在芸大教授の北川原温さんの事務所によく出入りしていた頃、当時所員であった下吹越さんとお会いしたそうだ。そんな昔話を爽やかに話してくれる下吹越さんに依頼しかけたプロジェクトがあったが、残念ながらリーマン騒動で頓挫してしまった。次回はプロジェクトを通じて、下吹越氏の実力を知りたいと思っている。

下吹越武人 / Taketo Shimohigoshi
1965年 | 広島県生まれ |
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1988年 | 横浜国立大学工学部建築学科卒業 |
1990年 | 同大学院修士課程修了 |
北川原温建築都市研究所入所 | |
1997年 | A.A.E.設立 |
2004-08年 | 法政大学非常勤講師 |
2005-08年 | 早稲田大学芸術学校非常勤講師 |
2006年 | 明治大学非常勤講師 |
2004年 | 神奈川建築コンクール奨励賞(材木座の住宅) |
2005年 | 日本建築学会作品選奨(和歌の浦アート・キューブ |
和歌山市優良建築物賞(和歌の浦アート・キューブ) | |
2007年 | 英国ARアワード大賞(FLEG代官山) |
現在 | 法政大学教授、横浜国立大学、首都大学東京非常勤講師 |