桐山登士樹が選ぶ 注目のデザイナー

第141回堀畑裕之 + 関口真希子(ファッションデザイナー)

  • 2005-6年秋冬 「織部」コレクション
  • 2007年 春夏 「嵯峨本」コレクション
  • 2009-10 秋冬コレクション 「かぶき者」
  • 2010-11秋冬コレクション 「かさねー秋冬」より
  • 2011 春夏コレクション 「かさね ― 春夏」
  • 2011春夏コレクション 「かさね ― 春夏」

[桐山登士樹の推薦文]

1月8日から12日間、青山のスタパイラル・ガーデンで開催されたmatohu「慶長の美」長着展は、日本の文化、歴史継承に視点を定めた素晴らしいプレゼンテーション展示であった。私は二度会場に足を運んだ。matohuを主宰する堀畑裕之さんと関口真希子さんは、慶長年間(1596~1615)桃山時代後期から江戸時代の初めの20年間の力強い生命力と進取の気風、大胆で楽しいデザイン力にデザイン、アイデアの源泉があるという。「この展覧会の目的は、たんにブランドの紹介ではなくて、最新のファッションやデザインの現場に、いかに日本の固有の文化が刺激をあたえ創作に転換されているかを証言し、来場者にその可能性と未来のあり方を発見していただくことです。」と述べている。
文化軸の視点からもプラスブランド軸においても、新たな発表の切り口は充分な刺激とポテンシャルを放っていた。そして、何より美しく大胆にして繊細だった。ただ惜しむべき点は、日本の文化行政が今ひとつ世界基準に達していない点である。この様な新しいニューウェーブを受け入れ、長く開催できる世界に恥ずかしくない文化施設が、東京のど真ん中に必要だ。


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堀畑裕之 + 関口真希子

matohu
堀畑裕之(右) + 関口真希子(左) / Hiroyuki Horihata + Makiko Sekiguchi

写真:Keisuke Akabane

堀畑裕之は同志社大学大学院を修了後、関口真希子は杏林大学を卒業後、ともに文化服装学院アパレルデザイン科で学ぶ。
1998年に卒業後、それぞれコム・デ・ギャルソンとヨウジ・ヤマモトでパタンナーとして5年間勤める。
2003年 ともに渡英、ロンドンのデザイナー、Bora Aksuのコレクションの仕事に携わる。
帰国後の2005年3月 '05-'06 A/W 「matohu」をスタート。
2006年3月よりジャパンファッションウィークに参加。
2009年、毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞。
2011年1月 スパイラル・ガーデンにて「matohu慶長の美展」を開催。


2005-6年秋冬 「織部」コレクション 1
2007年 春夏 「嵯峨本」コレクション 1
2009-10 秋冬コレクション 「かぶき者」 1
2010-11秋冬コレクション 「かさねー秋冬」より 1
2011 春夏コレクション 「かさね ― 春夏」 1
2011春夏コレクション 「かさね ― 春夏」 1