第139回森宮祐次(プロダクトデザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
森宮さんに最後に会ったのは、2008年4月のソニーが出展したミラノサローネの会場である。あれから二年半の年月が流れ、森宮さんは昨年ソニーを退社され、なんと「ひとり家電メーカー」の株式会社アカリネを設立した。そして本日、初の新製品となる発表会が表参道ヒルズのGalerie412で12月5日まで開催されている。新商品は、掲載写真に詳しくは記載されているので概要は省略するが、森宮さんが拘った点は「Made in Japan」である。
大企業のマスプロダクションから離れ、新たなモノづくりへの勇気あるチャレンジに先ずは拍手を贈りたい。64年前数名からスタートしたソニーの創設者、井深大氏がトップに掲げた経営方針は「不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず」と記されている。日本人がなくしてはならないモノづくりの基本である。森宮さん頑張れ。

森宮祐次 / Yuji Morimiya
1957年 | 福岡県に生まれる |
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1981年 | 千葉大学工学部工業意匠学科卒業 |
1981年 | 日本ビクター(株)入社 ビデオ、カムコーダーのデザイン |
1986年 | ソニー(株)中途入社 アートディレクターとしてカムコーダー、AV機器のデザイン。QUALIA クリエイティブディレクター。開発デザインにおいてシニアリサーチャー、プロデューサー |
2009年 | ソニー(株)退職 |
2009年 | ブルーパーセプト設立 |
2010年 | 株式会社アカリネ設立 代表取締役社長 現在に至る |
主な受賞
【日本ビクター(株) - 1981-1986】
1982年 | ビデオデッキ HR-7100 社長賞 |
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1986年 | VHS-Cカムコーダー GR-C7 グッドデザイン部門賞 |
1987年 | VHS-Cカムコーダー GR-C7 発明協会 特許庁長官賞 |
【ソニー(株) - 1986-2009】
1989年 | 8ミリビデオカメラ CCD-TR55 グッドデザイン大賞、ソニー(株)社長賞、マガジンハウス POPEYE デザインオブザイヤー金賞、モノマガジン大賞ほか多数受賞 |
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1996年 | フラットパネルテレビ PZ-2500 グッドデザイン金賞 |
【個人】
2005年 | 自邸のデザインFine Houseにより千葉市優秀建築賞・住宅部門 |
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主な展覧会・講演
2005年 | DesignTideにて「Fine Design」のタイトルでインスタレーション 銀杏荘・渋谷 |
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2008年 | ミラノサローネに「28.8」のタイトルでソニー(株)、スフェラとの共同展示 |
2009年 | 東京工科大学・メディア学部、千葉工業大学・デザイン科、日本大学・生産工学部 創生デザイン 学科にて、「コンセプト・デザイン」の講演 |