第123回柳原照弘(プロダクト/ 空間デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
6月下旬、外苑前の事務所から徒歩5分のPRISMIC GALLERYで「ISOLATION UNIT 柳原照弘展」が開催されていたので昼時ぶらりと覗いてみた。百聞は一見にしかず、絶えず自分の目で確認する事に勤しまないと目が腐ってしまう。コンパクトな展覧会であったが、この人も既に興味は彼方へ向かっている事を確認することができて良かった。真面目にデザインだけの事を語られても困ってしまう。何を考え、何を指向しているのか。そこに時代を透視する目とセンスがあるのか。改めて、そうした観点から柳原氏のデザインを見てみると静に宿る時の音が聞こえた。たぶんカタチに最大の敬意を払っているから中心と周辺がぶれずに構成(デザイン)できているのだろう。既にフィールドを国内外に広げているだけに楽しみな逸材である。

柳原照弘 / Teruhiro Yanagihara
プロダクト/ 空間デザイナー
1976年 香川県高松市生まれ。
1999年 大阪芸術大学 デザイン学科を卒業後、2002年“ISOLATION UNIT / TERUHIRO YANAGIHARA”設立。完成したオブジェクトの形体や結果だけでなく、“デザインする状況をデザインする”ことが重要であるという考えのもと、プロダクトから空間まで、ジャンルと国境を越えたプロジェクトを手がける。2009年GROWソファーをスウェーデンメーカーOFFECCTより発表。現在は国内、スウェーデン、デンマーク、イタリア、ベルギー等でプロジェクトが進行中。