第11回畠山耕治(アーティスト)
[桐山登士樹の推薦文]
リビングデザインギャラリーに展示された様々な時計は、静かに時を刻んでいた。『Time&Material』と名付けられた展覧会で、畠山耕治氏は、「素材には‘意識’が宿っている。何かをつくりだすとき、いつもそう思ってしまう。意識のもっと深くに潜む‘気配’は、自分が何者であるかという命題を突き付けてくれる」と語っている。
畠山耕治氏の作品は、金属の細部の微妙な表情を突き出そうとする戦いの後が感じられる。その表情は時に重苦しく、時に心に落ち着きを与えてくれる。また、ギターを趣味とする氏が金属を叩きまくる音は、柴芝洋彦氏の協力を得てCDとして発売されている。尽きることない無限な可能性を見ながら、金属の音を聞き深秋の美味を味わうには良い季節である。
最近、酷なことにこれまでの作品とは全く異なるオーダーを畠山耕治氏に依頼した。完成の暁には、横浜の夜景が美しく見える場所に誕生する予定である。それは4~5年先という先の話であるが。

畠山耕治 / Koji Hatakeyama
[略歴]
| 1956年 | 富山にて生まれる |
|---|---|
| 1980年 | 金沢美術工芸大学工芸科鋳金専攻卒業 |
[主な展覧会]
| 1986年 | 日本クラフト展(松屋銀座/東京 以降93年まで出品) |
|---|---|
| 1988年 | Jugent Gestaltet展(ミュンヘン/ドイツ) |
| 1989年 | Salon Grand Public de l'objet d'art contemporain Paris(パリSAAF/フランス) |
| Overseas Exhibition(WGギャラリー・ロンドン/イギリス) | |
| NON STYLE展(AXISギャラリー/東京) | |
| 1991年 | 朝日現代クラフト展招待出品(阪急百貨店/東京・大阪) |
| ART IN FRONT TOYAMA展(アートスペース砺波/富山) | |
| 1994年 | アジアの心とかたち展招待出品(NTTクレドホール/広島) |
| リビングデザイン・ミュージアム展招待出品(新宿パークタワー/東京) | |
| 1995年 | 第一回"美の予感"展(高島屋ギャラリー/東京・京都・大阪・横浜) |
| Japanese Studio Crafts展(ヴィクトリア&アルバート美術館/イギリス) | |
| Guests of Japan展(ハンブルグ装飾美術館/ドイツ) | |
| 1996年 | 海外巡回展"現代日本の工芸"展(国際フォーラム/東京) |
| 1997年 | Contemporary Japanese Crafts展(チェンマイ国立美術館/タイ) |
| Contemporary Japanese Crafts展(大連芸術展覧館/大連) | |
| 暮らしの中のAKARI展(新宿パークタワー/東京) | |
| 1998年 | Contemporary Japanese Crafts展(デンマーク国立博物館/コペンハーゲン) |
| Handwerksform展(ハノーバー/ドイツ) | |
| 1999年 | 嗜欲の器展(ギャラリーいそがや/東京) |
| 日本の工芸(今)100選展(パリ三越エトワール/パリ) |
[個展]
| 1989年 | 松屋銀座/東京 |
|---|---|
| 1990年 | マロニエギャラリー/京都 |
| 1991年 | 松屋銀座/東京 |
| ギャラリーNOW/富山 | |
| 1992年 | 三春堂ギャラリー/東京 |
| 1993年 | 三春堂ギャラリー/東京 |
| 1995年 | 三春堂ギャラリー/東京 |
| ギャラリーNOW/富山 | |
| 1996年 | X:PORT/東京 |
| 1997年 | ギャラリーにしかわ/京都 |
| 1998年 | ギャルリ・プス/東京 |
| 三春堂ギャラリー/東京 | |
| 新桜町ぎゃらりー/富山 | |
| リビングデザインセンターOZONE/東京 | |
| 1999年 | ギャラリーにしかわ/京都 |
| ギャラリーなうふ/岐阜 |
[パブリックコレクション]
- ヴィクトリア&アルバート美術館/ロンドン
- ジョージ・ガント3世コレクション/ニューヨーク
- 国際交流基金/東京
- 東京国立近代美術館/東京













