第119回平田晃久(建築家)
[桐山登士樹の推薦文]
先日、建築家の平田晃久さんよりグラフィック社から上梓されたばかりの著書「animated」が届いた。お手紙には「建築が人工/自然という枠組みを越えて、生命体が持つようなしなやかさや強さを獲得できないか、という問いに向けた言葉です」とタイトルの解説=自らの未知の建築に向かう方位と意志が綴られていた。いまの時代を生きる建築家は、新たな領域を開かなければならない宿命を負っている。20世紀に完成したモダンの概念を越えて、意味や形態を模索し、さらなる可能性を提示しなければならない。幸い平田さんは、この様な解読を得意としこれまでも様々な実験と実践を行ってきた貴重な建築家だ。現在、平田さんに来月開催されるミラノサローネでキヤノンの会場デザインを担当していただいている。これまでに見た事のない新たな空間表現をここではご覧頂く予定である。

平田晃久 / Akihisa Hirata
1971年 | 大阪府生まれ |
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1994年 | 京都大学工学部建築学科卒業 |
1997年 | 京都大学大学院工学研究科修了 |
1997~2005年 | 伊東豊雄建築設計事務所 |
2003年 | 安中環境アートフォーラム国際コンペ三等 |
2004年 | SDレビュー2004朝倉賞(House H) |
2006年 | SDレビュー2006入賞(House S) |
2008年 | 第19回2007年JIA新人賞受賞 |
2005年~ | 平田晃久建築設計事務所主宰 |
京都造形芸術大学、日本大学、東京理科大学非常勤講師 |