第116回参(松尾伴大、甲斐健太郎、下山幸三)(デザインプロジェクト)
[桐山登士樹の推薦文]
話べたなデザイナーが多い中で、参は饒舌な三人組である。ユニットの形態もフレキシブルで、それぞれがバラバラに活動を行いながらデザインプロジェクトとして成立している。この形態を楽しみ、実験を重ね、だれもが解明していない結果を模索している。私はそんな空気感を感じる。デザインは、それぞれに不思議な存在感・安定感がある。例えば、Something to Touchの造形美は、ただただ美しい。思わず手に取りたくなる。そうした行為を誘発する事を意図し、このデザインが成立している。参はデザインと人との距離をデザインしている。この関係が成立するデザインは、どうあるべきなのか、数値化できない感性を実証すべく、今日もどこかで実験を重ねている。故に同化しない三人の個性が生命線となっている。

参(松尾伴大、甲斐健太郎、下山幸三) / MILE
松尾伴大 Bandai Matsuo 音響エンジニア(左)
下山幸三 Kozo Shimoyama インテリアデザイナー(中)
甲斐健太郎 Kentaro Kai ソフトウェアエンジニア(右)
1999年筑波大学在学中、松尾伴大(音響エンジニア)、甲斐健太郎(ソフトウェアエンジニア)、下山幸三(インテリアデザイナー)の3名によりデザインプロジェクト参/mile結成。
2000~2003年同校卒業後、各自がそれぞれの分野で活動しつつ、プロジェクトを継続。
2008年、参/MILEに改名し本格始動。参人よれば文殊の知恵。それぞれの専門性を活かしてデザイン活動の場を広げていく。ユーモアのあるストーリーで、人・モノ・空間を心地よく結ぶデザインを行う。
輪島塗スピーカー「Something to Touch」にて、グッドデザイン賞受賞(2006)
info@mileproject.jp
http://mileproject.jp