第10回趙 慶姫(デザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
趙慶姫さんは東京芸大大学院修了後スタジオ・オプを設立し、ガラスや銅器、アルミなどの素材特性を活かしたテーブルウェアや仏具等のプロダクトデザインを手がけている。最近はさらにデザインの領域を拡大し、横浜市営地下鉄線や臨海副都心線の環境アートを手がけている。
そんな趙さんは、「デザインはモノと人を結び付けることで、良くも悪くも変化に深く関わってきた。新たな方向に進んでいく時代に、デザインにたずさわる者として何をするべきか、何ができるのかを模索している」と謙虚に語る。
日常生活の中では、モノに溢れ、デザインの新たな領域などなくなりつつあるように思える。しかし、人間の新たな価値を求める心理や21世紀を目前とした期待や反省は、新しいクリエイティビティを求めている。
新しい生活基盤を作り出す優しいデザインを是非、趙さんに期待したい。

趙 慶姫 / Kyong-Hee CHO
[プロフィール]
- 1979 東京芸術大学美術学部デザイン科卒業
- 1981 同、構成デザイン大学院修了
- 1984 スタジオ オプとしてフリーランスのデザイン、アートワークの活動を始める
- 1989~2001 東京芸術大学講師 1998~青山学院女子短期大学講師
[個展]
- 1987,88 アクシスギャラリーアネックス
- 1990,95 東京デザイナーズスペース
- 1993 ジュエリーショップ バサラ
[展覧会]
- 1990 '90現代ガラスの造形展(彫刻の森美術館)
- 1994 リビングデザインミュージアム展(リビングセンター・オゾン)
- 1996 デザイナー×地場産業(松屋/日本デザインコミッティー主催)
[デザインワーク]
- 1989 水出しコーヒーポット「カレント」(旭テクノグラス)
- 1990 レリーフタイル「ファゼ」(INAX)
- 1992 電話ボックス/神戸(日本板硝子)
- 1993 金属鋳造の灯明・照明(ニューズインターナショナル)
- 1996 香立て「ティエラ」「ルナート」
- 1998 仏具開発(株式会社本保・ニューズインターナショナル)
[アートワーク]
- 1993 横浜市営地下鉄 新横浜北駅ガラスレリーフ(第27回SDA賞サインデザイン優秀賞受賞)
- 1995 警友病院アートワーク/横浜みなとみらい21、臨海副都心線 各駅のアートパネル/新木場~東京テレポート
- 1998 川崎ファズ 外壁グラフィック
- 2000 簡保健康増進施設アートワーク/さいたま新都心