第109回廣川玉枝(ファッションデザイナー)
[桐山登士樹の推薦文]
今回初めてファッションデザイナーを紹介する。注目していた新進気鋭のデザイナー廣川玉枝さんだ。経歴は三宅一生さんのニットデザイナーとして活躍後独立。現在「SOMARTA」というファッションブランドを立ち上げ、毎回東コレで意欲的なコレクションを発表している。彼女のクリエイティビティの高さは他を圧倒する。想像するにたぶん早い時期から独自の世界感を持ち続けて来たのであろう。初期のコレクションに見られた女性が立ち向かう強さは、先日のコレクションではしなやかさえへ進化している。しかもブレることのない美的エッセンスは、すでに成熟した域に到達している。川久保玲、山本耀司に続く、世界の舞台で活躍できるデザイナーである。若き才能の今後の活躍を注目していきたい。

廣川玉枝 / Tamae Hirokawa
- 神奈川県出身
- 1998年文化服装学院アパレルデザイン科卒業後、株式会社 イッセイ ミヤケ入社。
- ISSEY MIYAKE MEN及びISSEY MIYAKE コレクションラインのデザイナーとして約8年間勤務。
- 2006年3月にファッション、グラフィックデザイン、サウンドクリエイト、ビジュアルディレクションを業務形態とする「SOMA DESIGN」として活動開始。
- 同時に自身のデザインプロジェクト「SOMARTA」を立ち上げる。
- 2006年8月、SOMARTA「身体における衣服の可能性」をコンセプトにSkin Seriesというボディウェアを発表。
- 2006年9月、日本ファッションウィーク 2007年春夏東京コレクションにおいて[The Secret Garden]をテーマに「SOMARTA」のレディースコレクションを発表。
- 2007年3月、日本ファッションウィーク 2007年秋冬東京コレクションにおいて[PROTEAN-The Secret Garden 2]をテーマにレディースコレクションを発表。
- 2007年8月、毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。
- 2007年9月、日本ファッションウィーク 2007年春夏東京コレクションにおいて[ENGRAVER]をテーマに「SOMARTA」レディースコレクションを発表。
- 2008年3月、日本ファッションウィーク 2008-2009年秋冬東京コレクションにおいて[L’oiseau Bleu-ENGRAVER2]をテーマにレディースコレクションを発表。