第106回assistant(松原 慈+有山 宙)(建築家ユニット)
[桐山登士樹の推薦文]
assistantを紹介するのは、大変難しい。お二人の不思議な存在感が良い。建築とデザインとアートの距離感が良い。しっかりとしたスキルを持ちながらおくびにも出さず自らが楽しんでいる行為にも好感が持てる。これまでの日本のデザイン環境にはない(少ない)新しいクリエイティブな感覚だ。そして手がける、どのデザイン(シュチエーション)にも物語がある。人に優しく夢中にさせる童話の様な世界観。この二人は、どんな仕事をしていくのか注意深く見守りたい。
先日、とある大手企業のワークショップに参加していただいた。しかし、企業側は悩んでしまった。企業デザインにはありえない均質、合理、制約といったキーワードがまったく存在しなかったからだ。それだけ対極にいる存在である。昔なら一緒のテーブルに着くことはなかったが、今の時代は可能とする。今回紹介するデザインの様に、多様な要素で構成された空気が支持される新たな創造時代に突入しているからだ。

assistant(松原 慈+有山 宙)
松原 慈 Megumi Matsubara(左)
有山 宙 Hiroi Ariyama(右)
assistantは、02年に松原 慈、有山 宙を中心に領域融合的デザイン活動として始まり、実験的な手法で、空間・建築、インタラクティブ、現代美術の各分野で活動。05年からは新たにinternational & interdisciplinary design practice - assistant Co., Ltd.を組織し、国際的に活動の幅を広げる。設立以来、世界各国のアーティストおよびクライアントと協力し、領域や国境から解放された自由なクリエイションを展開している。最近では、ロンドンデザインウィーク、ミラノサローネ、Design Tide in Tokyo 2007にて展覧会デザインを手がけたほか、森美術館、トーキョーワンダーサイト、秋吉台国際芸術村などで作品発表およびワークショップを展開している。
http://www.withassistant.net