
京都のMEDIA SHOP galleryにて、「棒と人との新しい関係展」が6月22日まで開催されています。
—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—
私の研究手法の一つに、道具と人との関係性を探ることがあります。
ある目的を持って生まれた道具が、時代が変遷する中でも同じ関係性を人と保っている事への問いです。時間の経過と共に社会の在り方と人の生活も変わっていく中で、道具の役割も再定義ができます。
私たちが長く使い続けてきた道具には、その道具が持つ歴史や発達の経緯があります。それを活かすデザインは、新しい道具を作ることには無い親しみと新鮮さ、そして道具の背景にある深い物語性を暮らしにもたらします。
そうして生まれた再定義の結果は、時に私たちの人間性を保つことに寄与し、社会を良い方向へ動かしてくれる力を持ちます。そもそも道具が備えている前提を活かすことで生まれる普遍性と、前提を覆すことで生まれる創造性が、その力の源のように思います。
さて、今回のテーマは棒です。
棒は、我々が棒と意識できないほど様々な道具の一部として存在しています。リサーチの過程で、我々の身の回りにある棒を写真で記録する“棒ハンティング”を行った際、写真が多過ぎて整理がとても大変でした。
その反面、現代では棒単体を道具として使うことはかなり稀であることも分かりました。
このプロジェクトを始める時、私は恥ずかしながら原始時代へ思いをはせました。
木の枝が折れて地面に落ちた時、それは枝から棒になったのでは?石は拾っても名前は石のままだが、枝は人が手に取ることで棒になったのでは?落ちていた枝を人が道具として使った時、それは棒という道具になったのでは?ただの枝を棒として、我々はどのように生活に取り込んでいったのだろう?始まりは、枝ではなく骨かもしれない…。
本当に考えているのが楽しいです。それは棒が極めて原始的な道具だからです。
このように当たり前に存在する道具を、これまで思索の対象にならなかった視点で学生と探究する過程で、自身の研究手法が学生達へと手渡せるのだと思います。
道具と人との新しい関係性を探し続けたデザインの成果、ご高覧を頂ければ幸いです。
開催期間 | 2025/06/10(火)~2025/06/22(日) |
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時間 | 12:00~20:00(最終日は18:00まで) |
休館日 | 会期中無休 |
入場料 | 無料 |
参加アーティスト | 大江孝明+研究参加学生 |
会場 |
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会場電話番号 | 075-255-0783 |
会場URL | http://www.media-shop.co.jp/ |
詳細URL | https://www.t-oe.info/menu/exhibition/re-reference-a-tool-a-person |