
|

|
このドゥオモの建築素材には大理石が使われている。ミラノはこの大理石の資源に恵まれており、近くにあるマッジョーレ湖が大理石の産地であるため、その豊かな資源をもとにドゥオモは建築されていった。外壁はやや赤みを帯びた白大理石で、その白い外観は幅93メートル、奥行き158メートルにも及ぶ。ドゥオモの内部の床に使われている大理石のモザイク模様は、その色とりどりの大理石を組み合わせており、圧巻の床模様になっている。
【 6 】 ファサードの扉の一つ。細かなレリーフの装飾が施されている。

|
 |
この大理石は、石の性質上雨などの浸食に弱い部分がある。内部はともかく外壁は常に雨風にさらされているため、白い外観が少しずつ黒ずんでくる。そのため、本来の美しさを保つ上で、外壁の大理石の『大掃除』とも言える修復をしなければならないない、という事である。ガイドブックに載っているドゥオモの姿を夢見て、それを楽しみにミラノを訪れ、実際に目の前が覆いで囲まれたドゥオモを目の前にした方は、さぞがっかりされただろう。ファサードの天に向かって伸びている尖塔は四角い覆いで囲われている為、おおよその形は見当がつくが、本来のそれとはかなりかけ離れたものになっている。今のファサードは、四角い囲いに囲まれた大きな壁のようになってしまっている。3年前は正面に向かって右側の外壁を修復していたのだが、巡回したため、ちょうど今まさにファサードの場所にさしかかった、という所である。
順番に工事しているため、いつ訪れてもどの部分かは修復をしていることになる。しかし、今回の修復工事は長い。一年以上過ぎている。正面の目立つ部分だから余計にそう思えるのかもしれないが・・・。ここがイタリアではなく日本であれば、おそらくこんなに時間はかからないであろう。しかし、ここはなんといってもイタリア。そして、働かないことでは世界に悪名高きイタリア人がする仕事である(もっとも、現在その仕事を請け負っているのは、在伊の外国人労働者達かもしれないが・・・)。あせらずいつか出来るから・・・のお国柄なのである。側面部分ならまだしもファサードはドゥオモを代表する景観ゆえ、早く終ってくれることを期待するのみだ。
|

|

|

【 5 】 ドゥオモの内部。高くそびえ立つ柱塔に囲まれた中で、信者達は祈りを捧げる。

【 7 】 ファサードの前に、ドゥオモの建築にまつわるエピソードが記されている。

【 8 】 ドゥオモ広場からGalleria Vittorio EmanueleII〈ガレリア・ヴィットリオ・エマニュエーレ2世〉が続いて立ち並ぶ。 このガレリアの中にプラダの本店や名物のカフェが並んでいる。

|
|