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第11回
Natale(クリスマス)

 update 2002.12.18
レポート : 佐藤 充 / 建築デザイナー  



今回は、この季節ならではのイルミネーションとクリスマス戦線をターゲットにした広告のグラフィックデザインを紹介いたします。

もちろん日本でもクリスマスツリーを飾ったり、イルミネーションを付けたりして街並みを華やかに飾っていることでしょう。先日こちらの新聞にも Tokyo でダイヤモンドを散りばめたクリスマスツリーがあると書いてありました。さすがに日本はある意味凄い事をするところだと改めて思いました。

ミラノではそこまでのツリーとは言えないかもしれませんが、ガレリアの中央に Swarovski が、高さ12メートル、8,000個の Sawarovski のクリスタルの飾りと、12,000個のイルミネーションを付けたツリーを設置しました。
この他にもたくさんツリーがおいてありますが一番人目につくのがここの場所のツリーです。右上は、このツリーの昼と夜の写真です。












またこの他のものとして、Via Montenapoleone の突き当たりに置いてあるのは Sony が協賛しているツリーです(写真左)。このツリーも人目によくつくところに設置してあり、夜のこのイルミネーションはロマンティックで、クリスマスの雰囲気をいっそう高めていると思います。

またこの他にも街並みを彩っているイルミネーションもクリスマスの雰囲気を盛り上げています。
ここミラノでは人通りがある程度ある通りにはイルミネーションが設置されて道行く人を照らしています。このあたりはミラノの中心で多くのお店が並ぶ通りです(写真下)。













そしてこの付近の通りに在った建物もこのようにイルミネーションがされていました(写真右)。

どこの都市でも同じように、クリスマスには飾り付けをし、イルミネーションが街を賑やかにしていると思います。もちろんこの風習は、ここヨーロッパでは当然のことで、きっとそれざれの都市ごとにいろいろな飾り付けがあると思います。
そして、この飾り付けをするということは、そこに住む人たちの感覚や経済状態も表しているかも知れません。そして、もちろんこの季節はクリスマスのプレゼントが多く売られる時期であり、その宣伝にも力が入る時期と言えます。
そこで、ミラノに設置されている広告の看板を紹介します。

この時期のみ特別、と言う訳ではないのですが、各メーカーが街のいたるところに大きな看板を設置して、クリスマス戦線の宣伝をしています。この看板は、建物に足場をかけてそこに大きな看板を設置する、というスタイルです。もちろん場所は、よく人目につく所や人通りのある通りとなります(写真下)。







































ほかには、雑誌などでも有名なメーカーの看板をご紹介いたします(写真左)。

これらの超有名メーカーは、いつものように写真とメーカー名を入れるというパターンですが、ここまで大きく見せられると、雑誌の見開きページで見るよりもインパクトも大きいものです。ただ、良く見まわしてみると、超有名メーカーだけではなく、他のいろいろなメーカーでも、やはり文字は少なめで、写真をメインにして視覚で訴えるようなグラフィックが多いように見受けられます。

私は日本の広告に付いて詳しくはありませんが、とても文字が多い印象があります。すべてに説明があり、読ませて脳に焼き付ける、というパターンが多いように思えます。また、文字をわざと小さくし、注目を集めて読ませる。その行為・行動で、広告を人の脳に記憶させる、という手法が多いようです。しかし、ここで紹介した広告は、それとは逆のパターンです。文字を排除し、グラフィックに意味を持たせ、インパクトのあるイメージを記憶させる。まずはじめに目に飛び込んでくる第一印象をもっとも重要視しており、計算した上で余計なものを排除していく、という手法だと思います。

この事象は、グラフィックデザインだけではなく、ほかのデザインについても言えることかもしれません。例えば、日本の携帯電話のデザインは、消費者の求める事を初めに考え、機能やコストを重要視し、美しさはその機能から生まれる、というような考え方しているように思えます。極端に言えば、美観は2の次、とも言われかねないような感じさえします。しかし、こちらでは、それとは反対のことをしているようです。
これらのことは一言では簡単に片付けられないデザイン論ですので、ここでは深く追求しませんが、日本と西欧の感覚・考え方の違いが、デザインのとらえ方まで影響していることは興味深いと思いませんか? 今度西欧に来る機会がある方は、そのような視点でものを見ても面白いかもしれません。




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