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プロフェッショナルなデザイナーの育成を目指す本学の教育は、デザインの現場を意識し極めて実践的でチャレンジすることを重要視しています。視覚デザイン、製品デザイン、環境デザインのデザイン科3専攻において、共通のカリキュラムが組み立てられる一方、専攻以外の技法にも触れて感性の幅を広げるためのプログラムが用意されています。また、専攻間の垣根を低くして、相互に刺激し合う教育システムを実施しています。大学院・修士課程では関連領域との関係を考察しながら専門領域を主体とした研究テーマを探求します。
今年の卒業作品の傾向や特徴
昨年同様、卒業・修了制作展は金沢21世紀美術館で開催されました。今年は2005年、大学院に開設したファッションデザインコースによる初の修了作品も展示されています。ブランドと店舗デザインは学部の専攻とのコラボレーション。一方、全体の展示は各専攻の学生が主体となり、それぞれの作品と調和するレイアウトやライティングなどを考慮し、コンセプトやデザインのポイントが伝わるような工夫をしています。カラフルで時にはアート的な主張を持つ、それぞれの作品が会場を訪れた人々にメッセージを送っています。
大学院ファッションデザインコース
本コースは、ファッションを生活文化創造の源、デザインの先端を切り開くものと位置付け、2005年に開設しました。既習の専門分野やキャリアにかかわりなく、ファッションデザインに興味があり、強い制作意欲のある学生を受け入れています。課題制作やパリコレ研修、インターンシップを経て初の修了生が誕生しました。
視覚デザイン 学部20名、大学院1名
4年間学んできた「観る人を明るく楽しくする」というヴィジュアル・コミュニケーションの本質を一人ひとりが個性的に受け止め、さらに自分の表現やアイデアの持ち味をどのように生かすべきかを十分考えながら制作してきた。アイデアに悩み表現に苦心惨憺しながらも、仕上がった作品にはそれぞれユーモアや温もり、エンターテイメント性が十分感じられる。
製品デザイン 学部19名、大学院1名
本学の製品デザイン教育の伝統である「学生自らが制作した1/1モデルで検証をおこなうこと」、それが十分に発揮された作品が多い。また、地域の保育園や小学校、障害のあるユーザーなどの生活現場の調査を経て新しいデザインのテーマを導き出すといった、ユーザーセンタードデザインの丁寧なものづくりが多くなされた。
環境デザイン 学部20名、大学院1名
今回の特色は、各学生の個性がこれまで以上に際立っていたことである。その中でも異色だったのは、キャラクターデザインを元に空間展開した作品、視界を制限することにより空間を実体験出来る装置の展示、カバーリングを実際の店舗に施してそれ自体を紹介した作品等。学生自身が枠組みに捕われずに挑戦した結果であり、今後の環境デザイン専攻を方向付けることになると感じた。
※デザイン科を中心に構成されています。
【 学部・学科構成 】
○美術工芸学部
・美術科/日本画、油画、彫刻、芸術学
・デザイン科/視覚デザイン、製品デザイン、環境デザイン
・工芸科/陶磁、漆、木工、鋳金、彫・鍛金、染色、織物
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