寺田 尚樹 : Milano Slone 2007 Report !
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「PANTHEON」
展示した作品はローマの歴史的建造物「パンテオン」をモチーフにしたペンダント照明です。
あたかもパンテオンのドームに差し込む太陽の光のように、ドーム状のランプシェードに照明の光が差し込む仕組みです。シェード内面にはパンテオンと同じ造形が施され、その形状に沿って美しく光が反射します。
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製作の動機は学生時代にバックパッカーとして訪れたローマのパンテオンに心動かされた気持ちをかたちにしてみたかったからです。
そのドームに差し込む一条の光はとても荘厳で神聖なものに思え、涙した想い出があります。
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2000年近く前に造り出された建造物から、建築の素晴らしさ、人間のつくり出す造形の可能性を改めて感じ、自分の将来に対する茫漠とした不安を抱きながらも、勇気づけられたのです。

そしてこの作品をイタリアで展示し、ヨーロッパやイタリアの人にどう受け止めてもらえるかに興味があり出展することにしたのです。
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イタリア人ならば誰しもが一般教養として「パンテオン」を知っているので、説明するまでもなく、コンセプトを理解していただけたのは嬉しいことでした。
また、雑誌インテルニのアートディレクターを務めるクリストフ・ラドル氏に「すでに完成された物を技術やアイデアによって全く違った物に見立ててしまう発想はヨーロッパ人にはむずかしい。そういった日本人の感覚が面白い。」とコメントをいただいたのは印象的でした。
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日本人が海外であえて「日本」ということを表出しなくとも、彼らにとってはエキゾチックに映っていると思わされた瞬間でした。意識せずともジャパニーズデザインになっている…。その文化的なバックグラウンドを自分自身でどう捉え、表現していくべきかを考えさせられた貴重な経験になりました。
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