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2007 ミラノサローネ特集
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桐山登士樹 : Milano Slone 2007 Report !
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LEXUSの出展は3回目になります。2005年は、イタリアデザインの文化施設ラ・トリエンナーレ・ディ・ミラノに隣接したティアトロ・ディ・アルテで開催されました。
※編注:桐山氏は日本側のプロデューサーである
参加クリエーターは千住博、妹島和世、石上純也の三氏で、この為にデザインされた石上純也さんのチェア「seduta bassa」は、先月ポンピドゥーセンターのパーマネントコレクションに認定されました。2006年は、ミュージオ・デラ・パルマネンテで開催され、吉岡徳仁さんのデザインによるファイバーからなる会場構成とスチーム加工された画期的なデザインの「PAN chair」が最高の話題となりました。また木本圭子さんの映像は世界の有識者から高い評価をいただいた。

今年は3年目となり、前2回を越える新たな展開を模索し、昨年7月より検討されてきました。その内容は、LEXUSのデザインコンセプト「L-finesse」 をどう表現するか、今回のテーマ、依頼クリエーター、そしてリーディングブランドとしての表現、アプローチ、会場等々。こうした諸課題に対して、私が推挙した乾久美子さんを初めとしたチームが組まれました。ブランディングの新たな手法としての評価をいただければと思います。


乾 久美子氏の新作家具“nohara”

乾 久美子氏の新作家具“nohara”



トロトーナ地区では、今年多くの日本企業が発表を行います(NTTdocomo、ビクター、バルス、TOTOなど)。振り返ると2003年まではカッペリーニ社がスーパースタジオでオープニングを飾っていました。毎回、とても斬新でパワーがありましたが、その後フラウグループの傘下に入り様相は一変しました。そして、この2年はLEXUSが話題の中心となりました。この背景には、イタリア企業の経済不況と企業買収等々、産業構造の変革期に直面したことが上げられます。この穴を埋めたのが日本企業であり、日本人デザイナーです。


LEXUSの側面

LEXUSの側面


Space for Incisive Simplicity

Space for Incisive Simplicity



しかし、今後もサローネで日本企業がある一定の役割を果たすのか、一時的なもので終わるのか、今年慎重に視察分析したい点です。また、LEXUSのアートを主軸においたアプローチは、モノのデザインを超えた新たなブランディング手法として参考になったと思います。高度な成熟社会でモノが溢れるなか、生活者の意識は消費欲求から時間消費へ間違いなく移行しています。その中で体感するアートやアートメッセージと自分との関係性が今後の重要なテーマです。表層的なデザインとおさらばし、コンセプチャルなデザインが主流になる選択の時代の到来を予感しています。


Space for Seamless Anticipation

Space for Seamless Anticipation

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