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ミラノサローネ・サテリテ参加レポート
サテリテ15周年の節目の年に初参加
2012/06/06
レポーター:荒木宏枝
サローネの中心となるRho国際展示場には、開催中、30万人近くの来場者が訪れます。新作のデザインが多くの人の目に晒され、評価されるのは、有名メーカーも若手デザイナーも同じ。海外で活動するデザイナーにとって、一年で最も重要な6日間をリポートします。
ミラノサローネに参加する意義
今年、15周年目を迎えるサテリテは、時代に合わせて形態を変化させて来ているものの、これからも多くのデザイナーを世に送り出す場であり続けることを感じさせる会場構成となっていました。
デザイナーズウィークを開催する国は年々増加していますが、やはりミラノサローネほどの勢いはまだないと聞きます。その原動力となっているのは、デザイナーとメーカー自身の意気込み、デザイナーのアイデアを柔軟に受け入れてきたイタリア企業の姿勢にあると思います。参加に費やされたものに見合った、現実的な手応えがあるからこそ、今のミラノサローネの盛況があるのでしょう。
DESIGN UNIONの展示
ミラノサローネ初日、まず初めにやって来るのはジャーナリスト達。朝一番にサテリテの取材を終え、そのまま市内の展示へと散っていきます。私たちのスペースにも、アメリカ・ヨーロッパ・日本を始め、インドや中国、トルコなど、様々な国からのジャーナリストが訪れました。
サローネを取り扱う雑誌の種類は、建築にインテリア、生活雑貨、ファッションと幅広く、取材の趣旨も様々です。趣旨の異なる作品を展示していたことが功を奏し、開催期間中の6日間、人気が絶えることがありませんでした。
サテリテに参加して得たもの
サローネ期間中に出品される作品は、世界中から訪れる人々の目に触れ、評価されることになります。展示作品以外にも、サローネに参加することによって、自分の活動をより多くの人に知ってもらうきっかけになるため、毎年多くのデザイナーがミラノにやってきます。
実際、サテリテに参加するデザイナーの実に8割以上が、イタリア国外からの出展者です。日本から参加したメンバーにとっては、国内の展示会との規模の違いと、一般も含む来場者のデザインへの関心の高さも想像以上だったようです。
特にサテリテでは、来場者の作品に対する意見も率直で、若いデザイナーにとって大変な刺激になります。DESIGN UNIONに参加したメンバーもそれぞれ得るものがあったようで、今後の活動にきっと活かされる事でしょう。私自身も今回得た経験を元に、更に活動範囲を拡げ、より魅力あるデザインを発信していきたいと思います。
Profile
荒木宏枝/プロダクトデザイナー
千葉工業大学・工業デザイン科卒業後、イタリアに渡る。2006年、Istituto Europeo di Designのプロダクトコース修了。Candy Hoover Groupのデザインセンターでコラボレーターとして勤務の後、現地デザイン事務所でアシスタントを勤める傍ら、2010年より個人活動を本格的に開始。ミラノ在住。
※サローネやサテリテ参加に関する、個人的な質問は受け付けておりません。メール等でお問い合わせいただいても、お応えしかねますのでご了承下さい。