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ミラノサローネ・サテリテ参加レポート

ミラノサローネ・サテリテ参加レポート

作品の輸送から施工まで、サテリテ直前の現場の様子

2012/05/23

レポーター:荒木宏枝

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国際家具見本市「ミラノサローネ」国際展示場の一角に設けられた、若手デザイナーの登竜門となっているサテリテへの挑戦をレポート。今回は作品の輸送から実際の施工の様子をお伝えします。

私たちのスペースには、イタリア在住メンバーの他に、日本から3組の参加グループがいました。海外からの参加の場合、一番の難関になるのは作品の輸送です。梱包する作品・展示台の強度や重量の工夫はもちろんのこと、税関審査などで荷物の配送が延滞し、サローネ前に届かないこともよく耳にします。そういったことも踏まえ、日本のメンバーには発送の際の注意点と、作品が届かなかった場合の準備も予め伝えておきました。

用工舎の展示台の試作品
用工舎の展示台の試作品

日本からの作品も何とか無事届き、サローネ開催3日前から、ついに搬入が始まりました。搬入期間中は展示会場への入場が制限されており、事前に許可証の申請が必要なのですが、申請案内のメールが文字化けしていたりとトラブルが尽きません。割り当てスペースの環境も、搬入当日に実際に見てみなければ分からないので、柔軟な対応が求められます。私たちのスペースも背面にある企業ブースの陰になり、想定していたよりもスペース自体が暗く、急遽、照明を設置することになりました。

搬入用のパスはオンラインで発行される
搬入用のパスはオンラインで発行される
ブースの側面はキャンバス張り
ブースの側面はキャンバス張り

明るさを補うため、照明を設置することになったのは良いのですが、その設置位置が問題になりました。私たちのスペースは展示品に統一性がないため、小物を展示するグループと、展示にある程度の暗さを必要とするグループとの間で意見が分かれます。最終的には、明暗によってスペースを思い切って半分に分け、作品を側面に寄せることで対応しました。

議論中
展示台と照明の位置を議論中。キャンバス地の側面から隣のスペースの光が透けていることも問題の一つに
大きく変更
小物の展示台もバランスを見ながら、組み合わせを大きく変更

それぞれの作品の位置が決定したところで、サローネ開幕まで後わずかとなりました。3日目に初めて全てのメンバーが顔を合わせ、各グループ、細かなディスプレイの調整や補修、会期中のローテーションの確認に入ります。搬入初日には空だった他のブースも作品の搬入を終え、後は開場を待つばかり。メンバー全員の疲労もピークに達してはいましたが、完成した企業ブースを見るうちに、サローネのお祭り気分も徐々に盛り上がってきました。そして翌朝9:30、世界最大規模の国際家具見本市が開幕しました。

暗所を必要とする展示のため、調整中のFuture’s
暗所を必要とする展示のため、調整中のFuture’s
来場者
初日の開場と共に沢山の来場者が