Intuos Creative Stylus 2の書き心地を試す

太刀川氏 : デジタルのメリットだけでなく、細やかな表現というアナログ感がこれだけ進化すると、紙のノートではなくipadを使用する頻度がさらに増えるでしょうね。たとえば、ミーティングの中で思いついたアイデアをどんどんipad上でビジュアライズしていき、クライアントさんと確かめ合いながら思考を深めていける。互いにイメージの誤差を感じたらその場ですぐさま描き直して、確認すればいい。一度描いたビジュアルをどんどんストックしていけるから、思考を逆戻りさせる時だってスピーディです。それに、一人でアイデアを練ろうという場面でもこのペンは活躍してくれそうですね。

僕たちデザイナーは手を動かすことで、頭の中にあるボンヤリとしたイメージを具現化するというプロセスに慣れています。手を動かしている最中に出会った一本の線から重要なアイデアが生まれるということも非常に多い。紙のノートに描いては消し、描いては消しというプロセスを重ねるよりも、思いのままに描き、気に入らなかったら消すというアクションを繰り返すことができるデジタル入力は僕らにとって好都合ですね。

そして、ペン入力の感覚がこれだけ繊細になると、僕が重視しているデザインの「質感」表現においても存分に威力を発揮してくれそうです。何年もペンタブレットは使っているのですが、普段のアイデアスケッチは紙にすることが多いです。強弱、太い細い、勢いといった無意識のうちに手が表現するものが大事だと思いますので。でも、このペンなら微妙なニュアンスをすくい取ってくれて、その気になれば完成度の高いビジュアルを描くこともできるので、幅広いクリエイティブワークに使えそうですね。続きをPCのPhotoshopで、という場合もスムーズですし。

たとえばあるプロジェクトのコンセプトを複数のメンバーで共有したい場合、今は大きな紙にアイデアを手で描いていくことが多いんです。でも、たとえばそうした機会を設けることが難しい状況では、「Intuos Creative Stylus 2」でipadに描いてそれをデータで展開し共有しておき、電話やメールでコミュニケーションの不足を補えば、全員が同じ場所にいなくても意識を合わせることができそうです。

これまで何年もワコムのペンタブレットを使用し続けていたという太刀川氏。それでも「Intuos Creative Stylus 2」を使ってみて、その繊細な描き味には舌を巻いた。ディテールの描き込みにも適した2048レベルの筆圧機能と2.9mmの細いペン先が、まるで紙のノートに描くようなナチュラルな感覚を実現。脳内のイメージが極めてスムーズにビジュアライズされていくと語ってくれた。彼は、飛躍的に進化を遂げたこのスタイラスペンが間違いなくデザインの質を向上させると、確信している。