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初日の8号館の密度はなかなかであった。CAPPELLIN、MOROSO、Kartell、edra、vitra、zanottaなど有力企業が集まる8号館は、ジュリオ・カッペリーニ、クラウディオ・ルーティなど企業家がブースの最前線で接客し、ジャスパー・モリソン、ジェームス・アーヴィンなど著名デザイナーも顔をそろえていた。しかし、不思議なもので1時間も会場にいると目が慣れてくる。一部の企業を除くと新作の少ないこと、現在のトレンドカラーのオフホワイトにカラーリングされた過去の作品が多いこと、ブラックやレースの処理はファッショントレンドの影響か。目に飛び込んでくるのは巨大なブースを仕切るパネルデザイン。
サローネは、商談の場だから売れ筋商品、目玉商品にウェートが置かれるのはしょうがないが、インパクトのあるデザイン(新たな可能性を感じる)が少ないのは残念だ。また最近のイタリアは、マーケティング(グローバルセールス)が主軸になり、売れ筋の商品開発にウェートが置かれている。昔の様な経営者とデザイナーが一体となりデザインオリオンテッドな開発をしていた時代が懐かしい。この様な売れ筋中心の商品開発によって、デザイン王国イタリアの今後に暗い影を落とさなければ良いが。また、コスト競争に勝つ為に中国など賃金の安い国へ生産工程が分散化している点も要注意事項である。同時代性、同質性の気持ち悪い構造がイタリアデザイン界を侵食し始めていることは事実である。
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