ミラノサローネ報告 (2)
キッチン&オフィス
 
 

今年は4月13日より18日まで開催されたミラノ国際家具フェア‘ミラノサローネ’。
ミラノサローネ報告第1回「1999年のミラノサローネに見るデザイン動向分析」に続く第2回は、「キッチン&オフィス」をレポートいたします。

  キッチン

昨年来のデザインの流行である“異素材との組み合わせ”や“トランスペアレント”は、家具だけでなくキッチンにおいても同様に多く見られ、白を基調に半透明のアクリルやガラスを組み合わせるデザインが多数を占めていた。

その中でも「透光性化粧板DIAFOS(製造:ABET LAMINATI社)」を扉パネルとして使用した、VAL CUCINE社のキッチンは“トランスペアレント”という部分において秀逸である。「透光性」という特性を生かし内部に照明を付けた扉等は、この素材ならではのデザイン事例であると言えるだろう。

また、ミケーレ・デ・ルッキのデザインによるDada社の新作システムキッチンは、壁付のアルミレールにアクリルの天板やキャビネットを組み込むタイプで、合理的でかつ洗練されたデザインを感じさせるものであった。

オフィス

一方、オフィス家具においては機能的でフレキシブルなオフィスシステムを提案するメーカーが多い。ERIK BOISEN社の自在に変型するパーティションは、美しいワークスペースを演出してくれる。

また、ICF社によるアルミ・厚物メラミン化粧板・ポリカーボネード・MDF等様々な素材を組み合わせたワークデスクシリーズは、パソコンやテーブルライトの納まり方も含めて機能的で美しい提案である。


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キッチン、オフィス共に特筆すべきは、金具デザインの美しさと面材への納め方である。美しいステーひとつ、蝶番ひとつで全体のデザインが活きてくる。残念ながらキッチンに限らず家具においても今の日本には美しい金具が少ないのが現状である。

製造技術としては世界に引けをとらないであろう力量を有しているだけに、今後この分野での開発が進むことを願いたいものである。
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■リポータープロフィール

寺内 明美(デザイナー)
桐山 登士樹(デザインキュレーター)
 
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ミラノサローネ報告第1回

●日本とイタリアの出会い - 企業文化とデザイン -
●佐藤和子「イタリアデザインの思想」


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