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動くことの楽しさ・ものづくりの面白さを感じる、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「動きのカガク展」

動くことの楽しさ・ものづくりの面白さを感じる、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「動きのカガク展」

「動き」がもたらす表現力に触れ、理解し体験する

2015/07/22

JDN編集部

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統治の丘 / ユークリッド(佐藤雅彦+桐山孝司)

黒い絨毯を歩き、台の上に立つと周りの白い円錐たちがセンサーでその人を認識。片手で方向を示すと指示通りの方向を円錐たちが一斉に向き、さながら王様(自分)と民衆(円錐)のような関係が生まれる。一定の時間が経つと民衆は指示を聞かなくなり、自分の影響力が失われた瞬間を体験することができる。

統治の丘 / ユークリッド(佐藤雅彦+桐山孝司) (1)
統治の丘 / ユークリッド(佐藤雅彦+桐山孝司) (2)

森のゾートロープ / パンダグラフ

森をモチーフにした回転する白いオブジェ。付属の回る虫眼鏡でのぞくと、森の中のアニメーションが動き出す。ゾートロープ(回転のぞき絵)にインスパイアされた作品。ゾートロープは静止画を素早く入れ替えることで、あたかも動いているかのように見せる器具で、アニメーションの原点とも言われている。

  • そして、舞う / 鈴木太朗 (1)
  • そして、舞う / 鈴木太朗 (2)
  • そして、舞う / 鈴木太朗 (3)

ストロボの雨を歩く / パンダグラフ

ストロボライトの中で傘を持ち、くるくる回すと傘の絵柄が動きだしてアニメーションを楽しめる。傘には少しずつ変化する絵が連続して描かれており、ストロボライトが当たると動画のように見えるという仕組み。

ストロボの雨を歩く / パンダグラフ (1)
ストロボの雨を歩く / パンダグラフ (2)

レイヤー・オブ・エア / 沼倉真理

映像と音楽で構成された作品。投影している映像は単純な幾何学図形のアニメーションだが、透ける布を通すことで有機的な形に見えるという作品。見る位置や見る人の身長などによっても違う形に見えてくる。

レイヤー・オブ・エア / 沼倉真理 (1)
レイヤー・オブ・エア / 沼倉真理 (2)

水玉であそぶ / アトリエオモヤ3枚

光源のついた布を指で突いたり押し上げると、そこに溜まった水が変化を見せる。水の視覚化によって、分離したり合体したり、振動する水の様子を見ることができる。

  • 水玉であそぶ / アトリエオモヤ3枚 (1)
  • 水玉であそぶ / アトリエオモヤ3枚 (2)
  • 水玉であそぶ / アトリエオモヤ3枚 (3)

セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2(SDM2)-レターズ / 菅野 創+やんツー

ノートに文字を書くと、文字の形象を人工知能が学習。その文字の形状を機械が壁に書いていくインスタレーション。人工知能はデータベースが貯まればたまるほど学習し、開催期間中にどんどん成長していくという。

  • セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2(SDM2)-レターズ / 菅野 創+やんツー (1)
  • セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2(SDM2)-レターズ / 菅野 創+やんツー (2)
  • セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2(SDM2)-レターズ / 菅野 創+やんツー (3)

「今回は美術館であり、博物館であり、図工室でもあるような展覧会。未来のデザイナーやアーティストである子どもや学生たちに、先輩の作品が置いてある図工室に遊びに来たような感覚で見てもらいたい。もちろん、子どもだけでなく大人も童心に帰って体験し、楽しんでもらいたい」と、話す菱川氏。美術館は静かで話してはいけない雰囲気の場所が多いが、今回は真逆だ。友達や家族と話しながら、わいわい楽しめる展覧会。写真では動きが伝わらないことが口惜しいが、ぜひ実際に体験して動くことの楽しさ、ものづくりの面白さを感じてほしい。会期は9月27日(日)まで。(石田)

企画展「動きのカガク展」
http://www.2121designsight.jp/program/motion_science/