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動くことの楽しさ・ものづくりの面白さを感じる、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「動きのカガク展」
「動き」がもたらす表現力に触れる
2015/07/22
JDN編集部
六本木・21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「動きのカガク展」は、「動き」がもたらす表現力に触れ、その構造を理解・体験することで、ものづくりの楽しさを感じ、科学技術の発展とデザインの関係をあらためて考える展覧会だ。
本展のディレクターは、大河ドラマのオープニング映像やCM「森の木琴」を手がけた映像作家の菱川勢一氏。企画意図について菱川氏は、「“動き”をテーマにしたきっかけは『日本の子どもの教育から図工や音楽の時間が少なくなっている』という話を聞いたことです。英語や様々なプログラムが増えるのは理解できますが、物を作る喜びを感じる機会は大事だと思います。それで、お話をいただいた時にすぐ提出したのが今回のテーマです」と、話す。
展示作品は23点。プロだけでなく学生も作家として参加しており、肩書きや分野はさまざまだ。「“物を作る楽しさをみんなで分かち合う”ということが大きいテーマですが、今回参加した作家は、バリバリのデジタル系の人からアナログ系の人もいます。デザイナーやアーティストという肩書きの分け隔てなく、楽しみながら学べそうなものを集めました」と、菱川氏。以下、さまざまな動きに関する作品を一部紹介する。
そして、舞う / 鈴木太朗
上下運動を繰り返す5つの白い布が軽やかに動き、舞っている。それぞれの動きはバラバラだが、一定の時間で一斉に落下する。布が開いた時の気持ちよさを体験できる作品。
ロスト #13 / クワクボリョウタ
タイトルは、Light/Objects/Space/Timeの頭文字と、作品を見ていると自分がその風景に迷い込むような錯覚を覚えることから「lost(迷った状態)」に掛けている。光源を付けた鉄道模型が洗濯バサミやざる、ブックエンドなど日用品の間を走り、壁や天井に影を映す。低い位置に光源があるため、普段見慣れた日用品とはちがった影が映し出され、新しい風景が見えてくる。
アトムズ / 岸 遼
下から吹き上げる風を利用し、ふわふわ浮かぶ白い球。駄菓子屋などでよく見かける「吹上げパイプ」というおもちゃを彷彿とさせる作品
124のdcモーター、コットンボール、53×53×53センチのダンボール箱 / ジモウン
スイスのメディアアーティスト、ジモウンの作品。段ボールで作られた塔の中に入ると、たくさんの白いボールが揺れて段ボールの表面をたたき、音を立てている。ひとつの音は小さいが、集合することで大きな音の波が生まれる。機械的でもあり、雨のような自然の音にも聞こえてくる作品。材料名がタイトルになっているのは、先入観や固定観念を持たずに体験してほしいという作者の思いからだ。