インタビュー 編集部が注目するデザイナー・クリエイターのアイデアと実践に迫る

スマホ時代の新しい写真体験を創る、オープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」(2)

スマホ時代の新しい写真体験を創る、
オープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」

2015/09/02

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自分で組み立ててスマートフォンを装着、子どもが楽しめるプリミティブなデザイン

スズキ:可能性としては無限にあるプロダクトだと思うんですね。ただ、僕のデザインというのは基本的にプリミティブであることを重要視していて、なるべく自分の身の回りにあるもので、切ったり貼ったりすることで何ができる、シンプルなものができたら良いなと思いました。このプロダクトに関しては、難しいことをやろうと思えば、とてつもなく難しいことができるんですけど、やっぱり自分が狙ったところというのはお子さん。「DIY CAMERA KIT for OLYMPUS AIR」は段ボールの展開図を自分で組み立てるだけ、プログラミングとかの技術に関係なく、すんなり接することができるデザインができればと意識しました。

「DIY CAMERA KIT for OLYMPUS AIR」
「DIY CAMERA KIT for OLYMPUS AIR」

基本的に今回用意した4つのスタイルテンプレート(CANVAS STYLE/INSTANT CAMERA STYLE/TWIN-LENS LIKE STYLE/3D STEREOSCOPE STYLE)は、あくまでもこういうことをしたらおもしろいんじゃないか?というエレメントだと思っています。それぞれのスタイルテンプレートで撮り方や被写体へのアプローチがすごく異なるし、スイッチとかをコンダクティブインク(導電性インク)や、アルミのテープを使ってデザインをして、インターフェースをカスタマイズするようなカメラができたら良いなと思ってデザインしました。あとは、3Dレンズを使って、立体写真が撮れるようなアタッチメントをつくれたらおもしろいんじゃないかな。

「自分だけのカメラを作ろう!」ワークショップの様子 (1)

最近だと、折り紙とかペーパークラフトとか作成できるWEBサイトがけっこうあるので、お子さんがコンピュータで好きなようにデザインして、自分だけのものをつくれたりしたら良いですよね。

「OTOTO」
「OTOTO」

スズキユウリ氏が開発した、あらゆるものを電子楽器にするDIYシンセサイザーボード「OTOTO」と連動させることによって遊び方はさらに拡がる。この「OTOTO」とスマートフォンアプリを接続すると、「OTOTO」から伸ばしたクリップからシャッターやムービーの撮影、露出のコントロールができるようになる。クリップを段ボールに固定すれば、カメラをコントロールするためのボタンを自分好みの場所に配置することができるのだ。

スズキ:「OTOTO」の良いところはプログラミングや電子工作の知識が必要ないところ。お子さんでもすぐ遊べるようにできています。抵抗値を感知するセンサーが入っていて、通電するものなら抵抗値が変わると反応して音を発生します。技術的なものを必要としない、アイデアだけですぐつくれるようになっていて、すごくプリミティブなストラクチャーを用意すると無限に広がるんですね。これだけシンプルな感じですが、なかなか色々なことができます。

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