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アート・ヒステリー
なんでもかんでもアートな国・ニッポン
「これマジでアートだね!」……やたらと「アート」がもてはやされる時代=「一億総アーティスト」時代。アート礼賛を疑い、ひっくり返すべく、歴史・教育・ビジネスから「アート」を問う。
「何なの? これ」「アート」
「え、こんなことやっていいの?」「うん、だって、アートだから」
「アート=普遍的に良いもの」ですか? そこから疑ってみませんか?
『アーティスト症候群』から4年、「アート」の名の下にすべてが曖昧に受容される現在を、根底から見つめ、その欲望を洗い出す。
- ※「こんな人はぜひ読んでほしい」
- ・ 互いの作品を批判せずなんとなく褒め合っているガラスのハートの美大生。
- ・「個性と創造性が重要」と「図工って何の役に立つの?」の間で困っている先生たち。
- ・「アートは希望」「今こそアートの力が必要とされている」と訴えたい業界回りの人。
- ・「普通」を選んでいるにもかかわらず「ちょっと謎めきたい願望」を抱く社会人。
【目次】
はじめに――アート島から漕ぎ出して
第一章 アートがわからなくても当たり前
(1)ピカソって本当にいいですか?
(2)疎外される「わからない人」
(3)アートの受容格差
(4)「美術」はどこから来たのか
第二章 図工の時間は楽しかったですか
(1)芸術という「糸巻き」
(2)日本の美術教育
(3)夢見る大人と現実的な子ども
(4)問い直される理想
第三章 アートは底の抜けた器
(1)液状化するアート
(2)空想と現実の距離
(3)村上隆の「父殺し」
(4)アートの終わるところ
【著者プロフィール】
大野 左紀子 (オオノ サキコ)
1959年、名古屋生まれ。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。現在、名古屋芸術大学、トライデントデザイン専門学校非常勤講師。著書に『アーティスト症候群』『「女」が邪魔をする』などがある。
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