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国際的に高い評価を受けるテキスタイルプランナー、新井淳一氏の評伝。
2011年、新井氏は英国王立芸術大学(RCA)から、テキスタイル分野では日本初となる名誉博士号を授与された。1992年には国際繊維学会が日本人初のデザインメダルを授与。1987年には英国王室芸術協会から名誉会員に選ばれるなど、世紀をまたいでその活動は注目を集め続けている。
テキスタイル“デザイナー”ではなく、テキスタイル“プランナー”と自ら名乗る新井氏は、ファッションの伴走者、発明家、民俗衣裳蒐集・研究家、教育・伝道者、エッセイストという、多彩な顔を持つ。
本書は、ドリーム・ウィーバー(夢を紡ぐ人、夢職人)と形容される新井氏の軌跡を、デザインジャーナリストの森山明子氏がたどる一冊。造本は杉浦康平氏と佐藤篤司氏が手掛けた。
・・・・複雑な組成と独特の風合いをもつ「新井淳一というテキスタイル」を、その作品とテキストを通して、わずかばかりでもほどいてみたいと考えている。(プロローグより)
【目次】
プロローグ
●第一章 ファッション・素材の時代に
●第二章 テクノロジストの思考回路
●第三章 精神の拠り所としての民族衣裳
●第四章 桐生人として
●第五章 「ドリーム・ウィーバー」アジアを行く
●第六章 エッセイストとしての顔
●第七章 来たるべきデザイナー
エピローグに代えて/新井淳一年譜・書誌/参考文献・引用文献+註
【著者プロフィール】
森山 明子
デザインジャーナリスト、武蔵野美術大学教授。1953年新潟県生まれ。1975年東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。特許庁意匠課審査官、財団法人国際デザイン交流協会勤務をへて、1986年日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社。「日経デザイン」の創刊にかかわり、1993年‐1998年同誌編集長。1998年から現職、デザイン情報学科所属。NHKハート展詩選考委員、グッドデザイン賞審査副委員長、芸術工学会副会長・名誉理事、公益財団法人三宅一生デザイン文化財団理事、公益財団法人日本デザイン振興会理事などをつとめる。
【展覧会開催予定】
JUN-ICHI ARAI 美しい布の軌跡(仮称)
会期:2013年1月12日(土)~3月24日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/