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ミラノ - Life is design -
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第10回 (3)
ミラノのシンボル、Duomo〈ドゥオモ〉は今・・・





しかし、ミラノのドゥオモが素晴らしいのは外観だけではない。一歩踏み入れた内部は、教会独特の荘厳な雰囲気とロウソクの香りに満ちており、その内部を取り囲むステンドグラスの美しさに魅了される。正面に向かって右側から時代的に古いものになっているため、よく見ていくと4枚ずつその作風が変わっていっているのに気が付くであろう。中でも正面祭壇の裏側のステンドガラスは素晴らしく、外から入り込んでくる光に映し出される色彩にはため息がでそうだ。残念ながら現在はこの祭壇裏のステンドガラスは間近で見ることが出来ない。目の前にはロープが張り巡らされてしまっている。この建物は観光名所になっているが、なんといってもここは教会。毎日ミサも行われている。敬虔な信者が祈りをささげる神聖な領域なのである。正面の祭壇の右左には、ミラノの守護神のサンタンブロージョも飾られている。毎日のミサの他に、ヴェルサーチが亡くなった時の葬儀や、リナーテ空港での追突事故の被災者の葬儀も此処で行われた。


もうすぐ12月。12月7日はS.Ambogio〈サンタンブロージョ〉の祝日。ミラノの守護神であるサンタンブロージョを祝して、ミラノは休日となる。守護神も、それぞれの街にそれぞれの守護神が存在する。故に街ごとにその休日は異なる。その頃になると、ミラノの通りにもクリスマスのイルミネーションが灯り始め、クリスマスのムードが街角に漂うようになる。ただし、あくまでキリスト教の最大行事でもあるところから、日本の商業的クリスマスの派手さとはかなりかけ離れている。そして、毎年クリスマス前になるとドゥオモ広場に大きなクリスマスツリーが飾られるが、今年はまたいつもと違うドゥオモをバックに新たな風景を作り出していくのだろう。


【 12 】 本来のドゥオモのファサード。写真は1999年9月9日。この姿が見れるのはもうすぐ??

・・・と今回はミラノの代表的建築物をご紹介した。現代建築とは違う意味で、その細部にわたるまで手を施された伝統技術の高さに感動する。その伝統的な建築物の存在する一方、この街からまた新しいミラノファッションを始め、イタリアンデザインと呼ばれるモダンデザインが発信されていることが、なんとも不思議な感じを覚える。


今日もまた夜になると、ドゥオモの1番高くそびえる金色のマドンナがミラノの街をひそやかに見守っている。







【 9 】 祭壇後ろの裏にあるステンドグラス。外からの光によって映し出されるその色彩は、信者ではなくともため息ものである。

【 10 】 床の大理石の模様。とても贅沢な大理石が使用されている。

【 11 】 夜のドゥオモの風景。ミラノの名物でもある霧が少しかかっていた。




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