Ginza Maison Hermès - エルメスのある部屋

エルメスのある部屋

誰もいない部屋。テーブルにはティーポット、ソファの上にはバッグが置いてあります。どんな人が住んでいるのか、そこで何をしていたのか、これから何が起ころうとしているのか。ものを通して部屋を見てみると、さまざまなストーリーが浮かんできます。

2017年のエルメスのテーマは、「オブジェに宿るもの」。オブジェには時代や流行、持ち主のセンスだけでなく、それを手に取った理由、それが果たす機能など、さまざまな意味が宿っています。

正面のウィンドウでは同じシーンが異なる視点で展開されています。バッグ越しに見るティーポット、ティーポット越しに見るバッグ。2つの視点がイラストとオブジェによって大胆な遠近法で立体的に表現され、まるでティーポットとバッグが2人の登場人物として見つめ合っているような緊張感がどこからか沸き起こってきます。

今回はグラフィックデザイナーの中村至男が担当。シンプルなグラフィックで言葉を介さずに意味を伝え、「ピンとくる」感覚を引き起こします。人間の脳は、少ない情報の中でも感覚と経験で積極的に物事を理解しようとします。ものや環境の特徴を絶妙なバランスと色使いで描き出す中村のイラストでは、モチーフが省略もしくはデフォルメされていて、私たちの想像力を膨らませるきっかけを与えています。

さて、この部屋の持ち主は大のエルメス好きのようで、さまざまな場面にエルメスのオブジェが見受けられます。ところが部屋を別の角度から見てみると、どうやらエルメスが好きなのは部屋の持ち主だけではないようですが…。

アーティスト 中村至男
展示期間 2017年1月19日~3月16日