「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」と称えられた白隠慧鶴（1685-1768）禅師は、臨済禅の中興の祖で、特に禅の民衆化に努めたことで知られる。

白隠は、江戸時代中期、駿河国原宿（現・静岡県沼津市）の町屋に生まれるも15歳で出家、原の松蔭寺に入り、諸国を行脚して飯山（現・長野県）で悟りを開き、32歳の時請われて松蔭寺に帰り、これを復興。晩年は三島の龍澤寺を開山し、松蔭寺で84年の長寿を全うした。

その間、特に60代後半以降、達磨や観音、あるいは祖師のほか、さまざまな恰好の布袋や大黒をはじめとした七福神、親孝行などを説いた墨蹟や絵画を揮毫した。宝暦・明和といえば江戸で錦絵が誕生し、京では白隠に参禅した池大雅や伊藤若冲が活躍した時代だ。

本展は、静岡の寺院や在家居士宅に伝来した白隠の書画を中心に、約135件を一堂に会し、その画風の変遷や江戸絵画への影響を探るものだ。江戸時代の社会における白隠、美術史的側面からみた白隠を改めて顕彰する。

【関連イベント】
●講演会「白隠さん大好き」
日時：2018年2月10日（土）　14:00～15:00（開場13:30）
講師：ブルース・R・ベイリー氏（日本ロレックス株式会社代表取締役社長）
聞き手：吉田恵理（静岡市美術館学芸員）
会場：静岡市美術館 多目的室
参加料：無料
定員：70名
※要申込み

●法話「白隠禅師と民衆教化」
日時：2018年2月17日（土）　14:00～15:30（開場13:30）
講師：宮本圓明老大師（松蔭寺住職）
会場：静岡市美術館 多目的室
参加料：無料
定員：70名
※要申込み

●講演会「白隠 江戸社会の変革者」
日時：2018年2月25日（日）　14:00～15:30（開場13:30）
講師：高橋 敏氏（国立歴史民俗博物館名誉教授）
会場：静岡市美術館 多目的室
参加料：無料
定員：70名
※要申込み

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