玉山拓郎(アーティスト)
1990年岐阜県生まれ、東京都在住。愛知県立芸術大学を経て、2015年東京藝術大学大学院修了。身近なイメージを参照し、家具や日用品のようなオブジェクトや室内空間をモチーフに、鮮やかな照明や音響を組み合わせたインスタレーションを制作。最小限の方法で空間を異化し、鑑賞者の身体感覚や知覚に揺さぶりをかける。
おもな展覧会に「2021年度第3期コレクション展」(愛知県美術館、2022)、「Anything will slip off / If cut diagonally」(ANOMALY、2021)、「Something Black」(ANOMALY、2023)など。現在、豊田市美術館にて個展「玉山拓郎:FLOOR」開催中。
https://www.instagram.com/takurotamayama/
さまざまなシーンで、アートとデザインの境界線が良い意味で曖昧になる中、玉山さんのアプローチは空間的であり、時間的であり、体験的であるだけではなく、鑑賞者によっては空間の演出に捉えられることもあると思うが、じっとその場所に居るだけで深い文脈まで連れてくる作品的な機能を果たすと捉えている。
つまり、アートとデザインが地続きに鑑賞者の眼の前で変化するような不思議な力をもった作品を展開するのが、玉山さんが創り出すクリエーションの唯一無二の美しさだと思う。これからの彼の活動にも大いに注目したい。
齋藤精一(パノラマティクス主宰)
建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年、株式会社ライゾマティクス(現:アブストラクトエンジン)を設立。社内アーキテクチャ部門を率いた後、2020年に「CREATIVE ACTION」をテーマに、行政や企業、個人を繋ぎ、地域デザイン、観光、DXなど分野横断的に携わりながら課題解決に向けて企画から実装まで手がける「パノラマティクス」を結成。2023年よりグッドデザイン賞審査委員長。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。
https://panoramatiks.com/