【THEME】 Knit-ware Function
コンピュータープログラミングの⽣み出すフォルムは、おもに数理的な関数(function)が定義しています。数理モデルとしての関数は⾃然界の普遍的とも⾔える法則を写し出し、また多くの⼈⼯物にも利⽤されてきました。例えば螺旋形は巻き⾙や花の種⼦の配列などを表し、クロソイド曲線は道路のカーブの形状にも応⽤されています。
CFCLは3Dコンピューター・ニッティングを⽤いるなかで、社会や⾃然の背景にある数理モデルを引⽤してきました。同時に、数学的には説明できない領域の美意識も追求しています。⾐服として合理的で機能的かつ、現代⽣活におけるエレガンスを反映したKnit-wareのコレクションです。
【代表的なアイテム】 ■POTTERY LUXE CFCLのアイコニックなPOTTERYシリーズより、再⽣ポリエステルのベースに、グリッター加⼯を施したフェイクファー⽷を組み合わせた艶麗なニットドレス。作成したプログラミングデータから3Dプリンターのように1着のドレスを直接出⼒しています。
■COLIMAÇON カタツムリの殻やギリシャのイオニア式柱頭、⾼速道路のインターチェンジに採⽤されているクロソイド曲線から着想を得たシリーズ。強いストレッチ加⼯を施したオリジナルの極太⽷を⽤いて渦巻き状に編み⽴てました。袖と⾝頃をそれぞれ筒状に出⼒し、アームホールで縫製しています。
■FLUTED LUCENT FLUTEDは、ギリシャの柱をイメージした定番のアイコニックなシリーズ。ストレッチ性の異なる2種類のリブを交互に編むことでユニークなシルエットが⽣み出されています。ドレスは袖と⾝頃をそれぞれ筒状に出⼒し、再⽣ポリエステル100%のボディと半透明のナイロン⽷で仕⽴てた袖をアームホールで縫製して組み合わせています。
1985年⽣まれ、東京都出⾝。⽂化ファッション⼤学院⼤学修了後、2010年株式会社三宅デザイン事務所⼊社。2013年にISSEY MIYAKE MENのデザイナーに就任し、6年にわたりチームを率いる。2020年同社を退社後、株式会社CFCLを設⽴。2021年第39回毎⽇ファッション⼤賞 新⼈賞・資⽣堂奨励賞およびFASHION PRIZE OF TOKYO 2022を受賞。2022年よりパリ・ファッションウィークに参加。 https://cfcl.jp/ Photo:Yosuke Suzuki