

|
「みなとみらい線」
 http://www.mm21railway.co.jp

取材補足

2004年2月、横浜中華街が春節を迎える賑わいの季節に開業したみなとみらい線。

開業初年度から営業利益は黒字を計上し、毎期増収を重ねているが、施設建設に伴う借入金が多額であるため支払利息が多く、経常利益は赤字となっている。しかし、沿線の開発が進み、乗降数が順調に伸びてることから、開業10年目には単年度で経常利益の黒字化が期待されている。

地下であることを忘れるような天井の高さ、広大なスペース。一駅ごとに個性あるコンセプトに基づいてデザインされた駅舎。土木界への建築家参画というコラボレーション。 いずれも効率を最優先に考える枠組みでは、思いもよらなかった‘事件’とも言えるだろう。横浜という大都市の中心部を結ぶ、延長4.1km、5駅という小規模な鉄道だからこそ実現できたに違いない。

効率を最優先しなかった結果、画期的な地下空間が得られた訳だが、たとえば駅舎が広大なだけにメンテナンス費用は通常と比べるとどのくらいかかるのだろうか、東京の地下鉄のように商業施設の開発もできそうだが可能なのだろうか、などと考えずにはいられない。ひとつ確かなのは、これらの駅舎が他に比べる存在がない、際立った資産であることだろう。

みなとみらい線の駅舎は、土木と建築設計の両分野でデザイン賞を受賞している。
2004年度グッドデザイン賞
土木学会デザイン賞2006/優秀賞
|
|
|

新高島駅

|

|
 |

|
 |

|

|
新高島駅は、「海」をモチーフに、活気ある街の将来を予感させるデザインを目指した。地下5階から地上までの各階を異なる雰囲気にすることにより、今どのフロアにいるか認識しやすいよう設計し、地上出入口はガラスで覆い、夜間照明演出により光のオブジェとなるよう計画した。
(株式会社UG都市建築設計/山下昌彦・岡松敦子)
|
|

馬車道駅

|

|
 |

|
 |

|

|
歴史的地区の中間点に位置した馬車道駅は、過去と未来の対比と融合をデザインのテーマにしている。本物のレンガを手作業で積み上げ、大きな吹き抜けの壁部分には、かつてこの駅の地上部にあった旧い建物のパーツやレリーフなどを展示。手摺には強化ガラス、椅子にはアクリルを使い、近未来的な空間を表現している。
(内藤廣建築設計事務所/内藤廣)
|
駅舎写真:松岡満男
|
|

|